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ごっとさんのブログ

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間接リウマチの治療の進歩

2018-12-01 10:24:50 | 健康・医療
免疫系が自分の体の関節を攻撃して炎症を引き起こすのが関節リウマチです。酷くなると関節の骨や軟骨が破壊され、日常生活に支障をきたすようになります。

30~50代の女性に多く見られ、男性も女性の3分の1の確率で罹患するようです。薬物治療が中心ですが、近年様々な薬剤が登場し、完治は難しいものの寛解(一時的に症状がなくなり病状が落ち着いた状態)する患者も少なくないと言います。

薬物治療は急速に進歩していて、今年2月には生物学的製剤の新薬「ケブザラ」が登場しています。

私の周りでも古くは叔母がリウマチで苦しんでおり、歩くこともままならなくなってしまいました。当時は(20年以上前ですが)まだよい薬もなく、痛みを止めるなどの対症療法しかなかったようです。また知人もリウマチになり、指の関節などが変形してきましたが、こちらはその程度で進行は止まっているようです。

現在薬物治療で使用されているのが1999年に承認された内服薬のメトトレキサート(MTX)と、2003年から使用が開始された3つのカテゴリーの生物学的製剤が中心となっています。

日本の関節リウマチ診療ガイドラインでは「関節破壊を防ぐ」ことが最重要事項です。関節リウマチは関節包の内側にある滑膜が異常増殖して炎症を起こし、関節が破壊されます。

そこでまずは炎症を鎮めるMTXの服用を行い、これは細胞中のアデノシンという物質の濃度を上昇させ、滑膜中のT細胞、マクロファージ、好中球などの働きを抑え、関節炎を改善させます。発症してから治療開始までの期間が短いほど、完治や寛解に至る可能性が高いとされています。

生物学的製剤は炎症に関わる特定のタンパク質や免疫細胞に働きかけるもので、MTXで寛解に至らない場合併用するようです。

これは大きく分けると「TNF阻害剤」、「抗IL-6受容体抗体」、「T細胞選択的共刺激阻害剤」の3つのカテゴリーがあります。ただリウマチは病態が非常に複雑なため、長年の研究でも、どの薬剤がどの患者に有効なのかは、はっきり分かっていないようです。

患者によってリウマチを引き起こす炎症物質は異なり、その見分け方もまだ解明されていません。それでも臨床試験では各薬剤で6~7割の患者に有効という結果が出ていますので、自宅でできる注射や病院で受ける点滴など、患者の利便性を考えて処方することが可能なようです。

さらに現在は予防についても研究が進んでいます。リウマチの原因は遺伝が20%で80%は生活環境であることが分かっていますので、それに対応した予防法が試みられているようです。

このようにリウマチの治療法は大きな進歩を遂げていますが、こういった自己免疫疾患がなぜ起こるかの研究も進展してほしいものです。