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運動すると記憶力が良くなるメカニズム

2020-10-21 10:28:04 | その他
日常的な運動が身体の健康だけではなく記憶や認知能力にいい影響を及ぼすことは、今やだれもが知る常識といえます。

これは私の信条である、日常生活を営んでいればそれで運動は十分である、ということと少し異なっています。スイスのジュネーブ大学の神経学者たちが、運動後に記憶力が向上するメカニズムを公表しました。

運動によって活性化する「エンドカンナビノイド」と呼ばれる化学物質の作用により、記憶や学習に重要な脳の「海馬」におけるニューロン間の信号伝達能力やその形が、刺激の量に応じて変化・適応する仕組みが確認されました。

これまでの研究によると、スポーツが記憶力に影響するメカニズムには、身体の中で作られる「エンドカンナビノイド」と呼ばれる脳内麻薬が大きく関わっていることが分かっています。

持久力を試されるマラソンやサイクリングなどをする人たちの多くが報告する、多幸感やランナーズハイを引き起こすとされる化合物です。これは血液中を循環し、簡単に血液脳関門を通過し、特殊な細胞の受容体に結合し、多幸感の引き金となります。

この分子は記憶処理のために重要な脳の海馬の受容体にも結合します。この研究では「新たな運動技能」を記憶できるかどうかが実験で試されています。

日ごろの動作は運動技能の連続であり、例えば食べ物を口に運ぶという幼児が学ぶ簡単なものから、靴ひもを結ぶ、タイピングをする、スマートフォンでゲームをするなどの高度なものがあります。

新たな動作を習得するとき、多くのステップを頭を使って意識的に学習する「明示的学習」と、感覚的なもので無意識に学習する「暗黙的学習」を行っています。

新たな運動技能の学習時に活発に働いている脳の部位が、記憶に重要な「海馬」と、運動機能に重要な「線条体」の回路といわれています。

研究チームは、スポーツが運動学習に与える影響を調べるために、特に運動を日課にしていない若く健康な男性15人に協力してもらい、3つの身体運動の後、記憶テストを実施しました。運動と記憶テストは、中強度のサイクリング30分、強度のサイクリング15分、または運動なしの後に実施しました。

さらに研究チームは、機能的磁気共鳴機能画像法で脳の活性度がどう変化したかの観察と、エンドカンナビノイドのレベルを測定するための血液検査を実施しました。この結果記憶に関する海馬と運動時に関与する「尾状核」が活性化していることが分かりました。

血液中のエンドカンナビノイドのレベルは、運動の強度に合わせて上昇しました。こういった結果が、運動すると記憶力が良くなるにどうつながるのか、あまりスッキリしませんが、運動後一時的に記憶力が増すという結果のような気もしています。


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