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高齢者はやや太めの人の方が長生きをする

2023-07-29 10:34:31 | 健康・医療
年を取ると代謝が下がり体が重くなりがちで、若いころに比べて体重が増えダイエットをする人が増加するといわれています。

私は若いころから体重の変化が全くなく、むしろ年を取ってから体重を増やしたいと思っていますが、これもまた難しいことのようです。ここでは高齢者医療の現場で多くの患者を診療してきた医師の、晩年を幸福に過ごすための知恵を紹介します。

まず前述のダイエットに関しては、中高年までで十分で極端に太っている人を除けば、高齢者はダイエットをする必要はないとしています。ダイエットが流行った要因のひとつは、十数年前から盛んにいわれるようになった「メタボを避けろ」というスローガンにあるようです。

メタボリックシンドロームは内臓脂肪の蓄積によって、肥満症や高血圧、糖尿病などの病気を引き起こしやすくなることを意味します。2008年からは、メタボかどうかを診断する特定健康検査や特定保健指導がスタートしました。

しかし日本のメタボ対策は、高齢者医療の現場を全く知らない学者や官僚たちが主導した「誤った施策」にすぎません。まじめにメタボ指導に従って痩せてしまうと、逆に寿命を縮める結果を招いてしまうことを統計データが示しています。

かつて宮城県で5万人を対象に大規模調査が行われ、その結果やせ型の人の方が、やや太めの人よりも6〜8年早く死ぬことが明らかになっています。一方で少々ふっくらとしたタイプの人が、最も長生きをしているという事が分かりました。

この調査結果は、私たちの実感とも一致しているのではないでしょうか。身の周りの元気な70代、80代の人は、やせ型というよりはふくよかなタイプが多いと思います。

無理にダイエットに励むことで、サルコペニアやフレイルのリスクも高まってしまいますから、健康にはマイナスなのです。なぜ学者や官僚たちは誤った指導をするかというと、アメリカに対して「右に倣え」をしているだけなのです。

アメリカと日本では死因が大きく異なるにもかかわらず、死因のトップが虚血性心疾患というアメリカの医学常識を、そのまま日本の施策としているのです。

東京都医師会は「高齢期のBMIは中年期以前とは異なり、少し高めの方が栄養状態や総死亡率の統計からみてもちょうど良いことが分かってきました。「メタボ対策」からしっかり食べて栄養状態を保つ「フレイル予防」に考え直してみましょう」と発信しています。

さらにこの医師は、70代になったら禁煙する必要がないという面白い意見を述べています。これは65歳以上では喫煙者と非喫煙者の生存曲線を調べたところ、生存率がほぼ変わらないという結果からきているようです。

何十年もタバコを吸ってきているのに、肺ガンにも心筋梗塞にもなっていない人は、タバコに強い何らかの因子を持っている可能性が高いとしています。


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