ごっとさんのブログ

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降圧剤ACE阻害薬は臓器を保護する作用もある

2023-06-17 10:39:26 | 
このブログでも何度か触れていますが、私は若いころから低血圧気味で70歳を過ぎたころやっと標準値ぐらいになってきました。

この高血圧の定義がやや異常で、国民の3分の1が高血圧というのはおかしなことですが、既に書いていますのでここでは触れません。

タイトルのように降圧剤のACE阻害剤が色々な臓器を保護する作用があるという記事を見ました。ACEはアンジオテンシン変換酵素の略ですが、血管収縮作用のあるアンジオテンシンⅡを作らないようにすることで、血圧を下げる薬です。

血圧を上げるというと悪いイメージがありますが、むしろ「血圧を保つ」という点で生命維持にとって重要なメカニズムと言えます。そのひとつに「レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系」と呼ばれる作用があり、これを働かなくする薬がACE阻害薬です。

アンジオテンシンの作用は簡単にいえば寒いと感じたときに鳥肌がたったり、例えばぞっとした時身体が震えるといった作用をしています。これをブロックすると確実に血圧は下がりますが、こういった生理作用を止めてしまっても良いのか若干疑問に思っています。

このACE阻害薬には、血圧を下げるだけでなく心臓や腎臓を保護する作用もあり、多くのメリットがある薬とされています。特徴的な副作用として「空咳(痰がからまない咳)」があります。

ACEの作用で作られるのはアンジオテンシンだけではなく、ブラジキニンという物質も作られます。これが空咳の原因といわれていますが、結局はACEの作用をしっかり止めることができている証拠でもあります。

ちょっと分かり難いのですが、ACEを阻害すると空咳が頻繁に出るという事のようです。この咳によって日常生活に支障がある場合には、他の薬への変更を考える必要がありそうです。

もうひとつ血液中のカリウムが増えるという副作用があります。こういった副作用もありますが、ACE阻害剤は血圧を下げるだけでなく、他の臓器の保護作用も持っており、さらにはアルドステロンの作用を抑えることで尿へのナトリウムの排泄も促進するようです。

こういったことからACE阻害剤は非常にメリットの多い薬としています。ただしこの薬は比較的短時間で効果が落ちてくることが知られています。

これはACEを通らない経路でアンジオテンシンが作られてしまうためですが、これはこの物質が生体にとって必要なものであることを示している証拠のような気がします。

降圧剤だけでなく多くの医薬品が、こういった正常な生理作用を阻害したり抑えたりすることで効果を発揮していますので、薬の服用は本当に慎重に行うべきと考えています。


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