ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

高齢化で増加している「心不全」のはなし

2021-12-03 10:32:17 | 健康・医療
心不全という言葉はよく聞きますが、文字通り心臓の調子が悪くなって死亡する病名と思っていました。

つまり病気で亡くなった時、これといって原因が特定できない場合「心不全」で片づけているという程度の理解でした。しかし心不全は死につながる怖い病気のようです。

心不全の患者数は現在120万人(2020年推計値)で、高齢化に伴い増え続けると推定されています。増加している割にはあまり正しく理解されておらず、心筋梗塞と同じようなものとか最後は心臓が止まるから皆心不全などと言ったりしています。

循環器学会では、心不全とは心臓が悪いために息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり生命を縮める病気と定義しています。

具体的には、血圧が高くなる病気(高血圧症)、心臓の筋肉自体の病気(心筋症)、心臓を養っている血管の病気(心筋梗塞など)、心臓の弁の開閉が悪くなる病気(弁膜症)、脈が乱れる病気(不整脈)などが心不全に含まれています。

心不全を発症しても、適切な治療によって息切れなどの症状は改善しますが、心不全を完治させる薬や治療法はなく、症状がぶり返すことがよくありこれを急性憎悪と呼んでいます。

このように悪化と改善を繰り返しながら、そのたびに心臓の機能がさらに悪くなり、体力がもたなくなっていきます。そのためには予防が重要で、心臓が悪くならないようにするものと、心不全を1回経験した人の再発を防ぐものがあります。

再発前の予防で大切なのは、良い生活習慣を身につけるの一言のようです。つまり生活習慣病にならないよう心掛け、もし生活習慣病の指摘を受けたら、しっかりと薬を飲むこととしています。

それでも一部の人は心筋梗塞や弁膜症、心房細動になってしまいますが、まだ心不全ではありません。これらの症状の人はACE阻害剤やβブロッカー、MRA拮抗薬といった薬をきちんと飲むことで、心不全への移行を抑えることができます。

さらに心不全になっても9割の人は治療で元気なることができるようです。心不全が増加している最大の要因は高齢化です。高齢になるとさまざまな循環器疾患を発症しますが、心不全はあらゆる循環器疾患の終末像、つまり「最終的に行きつく病気」といえるようです。

現在心臓弁膜症が200万人で虚血性心疾患が70万人、高血圧に至っては4300万人の患者がいて、そのどれもが最終的には心不全になり得る様です。その他先天性心疾患患者が約45万人で、これも心不全予備軍と言えるとしています。

この様に増加している心不全ですが、この予防には前述のように良い生活習慣が必須となっています。一口に良い生活習慣といっても、暮らしていく中ではこれはかなり難しい課題と言えるのかもしれません。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿