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酒のみなら気になる「γ-GTP」

2021-02-27 10:28:13 | 健康・医療
例年だと忘年会・新年会などで酒を飲む機会が多くなる時期ですが、今年は自粛でほとんどの忘年会は中止になっているようです。

私も忘年会は中止になりましたが、代わりにオンライン飲み会をやりますので、結局酒を飲むことになりそうです。

酒好きが気にする肝機能検査の項目に「γ-GTP」があります。これは飲酒や脂肪肝、胆石や胆管の病気で上がるとされています。

肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるように、肝機能が悪くなっても自覚症状が出ず、放置することによって肝硬変から肝臓ガンに至ることもあります。肝臓専門医も「γ-GTP」は肝臓の解毒作用に関係する酵素で、飲酒により上がります」としています。

私はこういった認識が常識的になっていることに違和感を感じています。まずγ-GTPは正式にはガンマグルタミルトランスペプチダーゼという酵素で、グルタチオンなどを加水分解して他のペプチドにグルタミンを移す働きをしています。

これがいつから解毒作用に関係するといわれ、飲酒によって増加するになったのか不思議な気がします。これが肝臓のマーカーとして使われて長いので、統計的に飲酒によって上がるという数字が出ているのかもしれません。

このγ-GTPという酵素は内包的という原則的に細胞内にとどまっている酵素です。また肝臓だけで作られるわけではなく、他の臓器でも普通に見られる酵素ですが、やはり細胞外に出ることはありません。

これがなぜ細胞外である血液中に出るかというと、細胞が壊れて中に入っている酵素などが流れ出てしまうからです。肝臓は薬物代謝の機能がありますので、比較的簡単に壊れ新しい細胞に置き換わっています。

つまり血液検査での肝臓のマーカーが上がるということは、肝細胞の壊れ具合を見ているということになり、肝機能とは無関係といえます。

あまり多くの肝細胞が壊れれば(数値が上昇すれば)、肝臓全体に何か異常があるということになり、結果的には肝機能を調べているのと同じことになるわけです。

他のマーカーのALTとASTも全く同じ意味合いですので、どれか一つが高くなることは理論的にはなく(ばらつきは出ますが)、肝臓が悪くなればすべてが上昇します。

これは私の隣の研究室が臨床検査薬を研究しており、そこの室長が何とか肝機能を表すようなマーカーを見つけるのが夢だと語っていましたが、未だに見つかっていないようです。

そういったこともあり、γ-GTPの基準値が医療機関によって異なるというおかしな現象が起きているのかもしれません。

以上のようにγ-GTPが三ケタになったら注意などというのは、単なる医師の都合のような気がしますので、中毒にならない程度に酒を楽しむのは問題ないと思っています。


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