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徹夜一晩でも太る可能性

2018-09-16 10:26:37 | 自然
睡眠不足で太ることが知られているようですが、私は今まで聞いたことがありませんでした。

この原因はレプチンやグレリンといった摂食ホルモンの変調といわれていますが、最近一晩の徹夜といった短期的急速な睡眠不足により、代謝調節に必要な骨格筋の組織変化や後天的な遺伝子変異が影響して、太ることにつながるという報告が出ました。

慢性的な睡眠不足や海外旅行などの時差ボケの影響で睡眠障害が起きると、肥満やメタボリック症候群、糖尿病になるリスクが高くなります。これはサーカディアンリズムと呼ばれる体内時計が変調をきたし、身体の代謝機能に影響を及ぼす結果と考えられています。

今回スペインのウプサラ大学などの研究グループが、一晩の急激な睡眠不足、つまり徹夜が遺伝子レベルでどんな生理学的な影響を与えているか調べました。

体内時計も遺伝子によって制御されており、いくつかの遺伝子が見つかっています。この内ある遺伝子が重要で、この遺伝子を異常発現させたりノックアウト(切除)すると、マウスでの脂肪の代謝がおかしくなりますが、これは骨格筋のこの遺伝子が変調することが原因とされています。

またヒトでは睡眠不足で遺伝子が後天的に変化し(メチル化される)、体内時計に関連した遺伝子や骨格筋での遺伝子機能が減退することが分かっています。骨格筋は身体を支えたり骨格を動かすための筋肉であり、タンパク質などの栄養や水分をため、食べ物が少なくなったり水分が足りなくなったりする際に分解し補給する代謝機能を持っています。

研究グループは、健康な白人男性15人を対象に事前のアンケートで朝型か夜型かを調べ、交互に2回実験しました。徹夜群と睡眠群の実験を開始し、徹夜群は寝ないように監視され完全な徹夜状態にして翌朝7時まで脳波や心拍数を記録し、認知機能を評価する簡単なテストを行いました。

その後血液サンプル、皮下脂肪と骨格筋から生検サンプルを採って比較しました。その結果徹夜群の遺伝子を調べたところ、皮下脂肪の遺伝子の広い領域で後天的な変異(メチル化)が起きており、特に脂肪酸の取り込みに関連する遺伝子に変異が大きく出ていました。

またこうした変異は骨格筋では認められませんでした。この実験結果とマウスでの実験を組み合わせると、徹夜などでも肥満になったり糖尿病にかかるリスクが高まるとしています。

こうした遺伝子の変異はどの程度の時間で修復されるのか分かりませんが、肥満といった長時間かかって生ずる現象が、一時的な遺伝子変異で急激に加速されるというのはやや怪しい感じもします。私が睡眠不足になることはまずないのですが、良い睡眠が健康に必要なことは確かなようです。


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