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吐く息で新型コロナ感染の有無を検査

2020-11-13 10:24:38 | 健康・医療
東北大学と島津製作所の共同研究グループは、吐く息で新型コロナウイルス感染の有無を調べる検査法を開発したと発表しました。

呼気の中に含まれるウイルスやタンパク質などを解析する手法を用いた世界初とみられる技術で、医療現場で普及すれば約1時間で結果が出る簡便な検査法となります。

研究グループは今後も技術開発を進め、新型コロナウイルスだけでなく、多くの疾患の診断にも使える「呼気医療」に発展させたいとしています。この検査法は、まず検査対象者に5分程度呼気回収装置(エアロゾル採取システム)に安静時呼吸で息を吐いてもらいます。

次に呼気を冷却凝縮し、約1ミリリットルの呼気凝縮液を得ます。これを「オミックス」と呼ばれる技術を使い、ウイルスやウイルス感染に関連するタンパク質を抽出して解析する仕組みです。

PCR検査と同レベルの精度があり、既に神奈川県内の病院で約10人の新型コロナ感染症患者に使ってもらい、検査の有用性を実証したとしています。

ただしこの検査方法の流れが図示されていますが、エアロゾル採取システムに始まり、ロボット化全自動処理システムを使い、質量分析システムとゲノム解析システムを動かすというのは、かなり大型の機器システムになりそうです。

これがどこまで病院などに普及するかは、大きな課題のような気がします。研究グループによると、オミックスはタンパク質や代謝物などの生体分子を解析する技術で、吐く息を使う「呼気オミックス」で新型コロナを検出する試みはこれまで海外でも例がないようです。

呼気を検体とする解析システムは、PCR検査など現行の検査法と精度は同じながらより多くのデータが得られることから、新型コロナ感染症の重症化を予測することも可能としています。

研究グループが今回開発した検査法は、新型コロナ以外の感染症のほか、心臓病や脳卒中などの循環器系や肺炎、気管支炎などの呼吸器系の疾患、糖尿病などの代謝性疾患といった多くの疾患の診断への活用も期待できるようです。

当面はこの検査法の関連装置を小型化するなど、医療現場などで手軽に使えるための実用化研究を急ぐ方針です。この検査法は、新型コロナを検出するというよりは、呼気中の含有物を解析することで、一般の診断に役立つものといえそうです。

これによって新型コロナやインフルエンザまで検査できるのであれば、利用価値は高いのかもしれません。前述のようにかなり高価な機器システムになりますので、ウイルス感染症の診断に使うという目的にはあまり合わないような気がします。


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