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体外式膜型人工肺ECMO

2020-04-08 10:26:24 | その他
新型コロナウイルスによる重い肺炎患者への治療で、体外式膜型人工肺(ECMO、エクモ)が注目されています。

重症者の肺に代わる役割を果たして回復を目指す医療機器で、救命の「最後の砦」としての期待がかかっています。タレントの志村けんさんもこのエクモによる治療を受けたのですが、残念ながら帰らぬ人となってしまいました。

エクモは肺の役割を一時的に担う医療機器で、重い肺炎患者などに使われます。太ももの静脈から管を入れて血液を抜き、血中の二酸化炭素を取り除くと共に、酸素を供給してポンプで体内に戻します。

自力呼吸できない患者の身体に酸素を届ける仕組みとなっています。肺による呼吸を補助する人工呼吸器では、回復が困難な重傷者に使われます。エクモで肺を休め、免疫力の回復を待つものです。

日本集中治療医学会の集計では、3月30日までに新型コロナの重症患者40人にエクモが使われ、19人が重篤な状態を脱しましたが、6人が死亡しています。現時点で有効な治療法が確立されていない中、政府は救命の最後のとりでとされるエクモの整備を進めています。

日本臨床技士会などによると、2月時点で国内には約1400台のエクモが設置されています。医療機器メーカーのテルモが7割のシェアを持ち、年間百数十台を製造しており、新型コロナ拡大に伴う需要増に備え、国内2工場で増産しているようです。

エクモの運用には専門チームが必要となります。数人の医師による手術で装着し、一度付けると24時間態勢の管理が欠かせません。患者1人に対し医師、看護師、機器を操作する臨床工学技士の計7人が必要となり、医療従事者の負担が大きいようです。

これだけの態勢が必要だと、アメリカやイタリアのように急激に患者数が増えると、対処できなくなるのかもしれません。

政府は緊急経済対策として、エクモの増産や医療機関への導入を支援する方針で、経済再生担当大臣は専門家の育成も急務と指摘しており、人材育成の態勢整備を急いでいます。

それでもこういった高度医療技術が、簡単に身に着くわけはなく当面は患者数の少ない地方の医師を集めるといった方策も必要かもしれません。

日本が海外に比べて圧倒的に少ない死者数で推移しているのは、こういったエクモのような機器の運用が成功しているためであり、何としてでも患者の急激な増加を抑える方策が必要となるでしょう。

昨日緊急事態宣言が発令されましたが、果たしてこれがどの程度効果があるのかは若干疑問に思っています。


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