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身近な「水」は不思議な液体

2021-12-25 10:25:31 | 化学
水が他の液体と異なった特性を持った不思議な物質であるという記事を見ました。確かに水は身近に存在するほぼ純粋な分子ですが、あまり物理化学的な性質など考えたことはありません。

ただ他の液体といっても、目にすることがあるのはガソリンや灯油といった石油製品やてんぷらなどに使う油類ぐらいであまり手に触ったりするものではありません。

私は実験に使うクロロフォルムなどの多くの溶剤や試薬が液体のものは多く、自然と比較していますが本当に水は特殊な液体であると感じていました。

その第1が水が個体となった氷が水よりも軽く、水に浮かぶというところです。物質の3形態において、気体は分子が自由に動き回れる状態で、それがやや規制され動きがやや悪くなるのが液体、分子が規則正しく並んで動かなくなったものが個体とされています。

従って密度が最も高くなる、すなわち重くなるのが個体であり、液体の中に同じ分子の個体を入れると沈むのが普通です。残念ながら身近なものでの例を挙げることはできませんが、イメージとしては理解できるのではないでしょうか。

ではなぜ水だけが個体となった氷が浮いてしまうのかの説明を、この記事では量子化学の専門用語だらけの文章でしていますが、分かりやすいものではないのでここでは省略します。

非常に大雑把に言えば、水素結合などの水特有の構造により、個体となった氷が水よりもスカスカの構造を持っているということです。この氷が水より軽いため、冬の凍った川や湖で生物が存在できるという、生命をはぐくむうえでも重要な性質となっています。

2番目が氷に圧力をかけると溶けて水になるという性質です。普通の物質は液体に高い圧力をかけると個体となり、酸素なども高圧化では固体になります。

氷は圧力をかけると液体になりますので、アイススケートで滑らかに滑ることができるわけです。これも氷分子に圧力をかけると、水素結合が切れてバラバラになる性質に基づきます。

3番目は100℃という水の沸点が異常に高いようです。液体の温度を上げていくと、分子の運動が激しくなりある程度を超えると分子は液体表面から飛び出す温度が沸点です。当然重い分子の方が動きが悪く、沸点は高くなりますが、水の分子量は18と軽い分子と言えます。

これも水素結合によりいくつかの分子が寄り集まって、大きな分子のような状態を作っているためです。この高い沸点により気候変動があっても、安定した生命活動が制御できていると考えられます。

その他大きな表面張力があるなど、通常の液体にない特性があり、地球の気候、海と大陸の関係、生命活動などがこの水の不思議な性質によって成り立っています。

水は現在でも不明な部分が多く、詳細な研究の対象になっているというのは興味深い話と言えます。


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