ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

口呼吸は脳機能を低下させる

2021-08-11 10:34:42 | 自然
最近は新型コロナの感染対策として、部屋の換気を進めていますが飲食店などは二酸化炭素濃度を測定して、換気すべきかを判断しているようです。

脳は酸素を必要としますが、通常の密閉状態では脳に影響を及ぼすほど二酸化炭素濃度が高くなることはありません。むしろ口呼吸で多量の空気を取り入れることが、脳の血流量を低下させてしまうという説が出ていました。

通常呼吸は無意識にしていますので、鼻呼吸か口呼吸かなど気にしたことはないのですが、たぶんほとんどは鼻呼吸のような気がします。

ただテニスのプロの試合を見ていると、確実に口呼吸をしているようです。テニスのような激しい運動は、鼻呼吸では体内への酸素供給が追い付かないのかもしれません。こういった運動選手の口呼吸は、脳の機能とは関係ないと思われます。

脳がしっかりと機能するためにはエネルギーが必要で、通常はブドウ糖(グルコース)のみが利用されます。その脳にブドウ糖以上に必要なエネルギーが酸素です。さまざまな原因で酸素の供給が少しでも止まってしまうと、短時間のうちに意識を失い、最悪の場合は死に至ります。

最近は医学の分野でも、特に画像診断ではAIが活躍しており、健康チェックに役立っています。これを脳波の診断に用いて、口と鼻での呼吸の違いで脳の活動性を評価した研究が発表されました。

脳に多くの作業をさせるような負荷をかけると、酸素消費量が高まります。鼻呼吸では最高1分間に35リットルほどの吸気を交換できますが、口呼吸ではそれが100リットル以上になります。

こんなに多くの空気を吸えるのであれば、脳にもかなり酸素が行きわたりそうですが、運動もしていない状態で換気量だけが増えると、血液中の二酸化炭素が減るため、逆に脳への血流が減ることになります。これがいわゆる過換気症候群です。

AIに鼻呼吸と口呼吸の時の脳波を学習させると、確実に呼吸状態を見分けられるようになりました。脳波特にガンマ波の成分を見ると、鼻呼吸か口呼吸かが見分けがつくのです。

ここで口呼吸の状態で管から口へ酸素を送ると、AIは口呼吸の区別ができなくなりました。これは酸素が脳へ供給されるようになった証拠ではないかと、研究者は結論付けています。

この様に口呼吸では体内への酸素供給量は変化はないのですが、脳へは明らかに酸素量が減ってしまうようです。なぜ脳への酸素供給が減るのかのメカニズムについては、いまだにはっきりとした答えは出ていません。

鼻炎などで鼻が詰まっていないかぎりは、無意識に鼻呼吸をしていますが、口呼吸をすると予想外に短時間で脳の酸素量が低下してしまうようです。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿