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新型コロナよりも死亡率の高い「結核」のはなし

2022-04-06 10:25:52 | 健康・医療
「結核」というと過去の病気というイメージがありますが、まだまだ気を付ける病気のひとつのようです。

1950年代という大昔ですが、私の父とその数年後には叔父さんも結核で亡くなっています。現在でも微熱や咳が続き新型コロナかと受診した患者が、調べたところ結核であったというケースがあるようです。

結核は二類感染症として位置づけられていますので、放置すると周囲に感染を広げてしまうため見逃されてはいけない病気といえます。

結核はHIV感染症、マラリアと並んで「世界三大感染症」のひとつとして位置づけられ、この感染症対策は国連におけるSDGsにも取り上げられています。

1950年以前の日本の結核患者数は年間60万人以上、死亡者数も年間10万人以上といわれており、国民の大半が結核に感染した経験があるほどの国民病でした。

結核は当時の死因のトップであり、1950年ごろからストレプトマイシンなどが使われるまでは、日光を浴び外気にあたり安静にするなどの治療法しかなく、多くの結核患者が亡くなっていきました。

現在は治癒できる感染症になっていますが、2030年までにHIV感染症、結核、マラリアといった伝染病を根絶するとともに肝炎、水系感染症およびその他の感染症に対処するというSDGsに沿って、「世界結核収束戦略」をかかげて世界的に結核の根絶に取り組んでいます。

他の先進国の多くが低まん延国の水準である結核罹患率が10万人あたり10人を下回っているのに対し、日本はそれ以上の中まん延の状態が続いていました。それでも結核研究疫学情報センターの統計によると、2022年9月の年報で初めて10万人あたり10人を下回ることは確定的となっています。

おそらく日本史上初めて「低まん延国」入りを果たすことになります。しかし本当に結核対策が進んでこの罹患率が達成されたのかどうかは議論の余地があるようです。

コロナにより世界的に受診控え・健康診断控えが進んでおり、本来発見されるべきだった結核が見つかっていないだけではないかという見解があるためです。罹患率が10万人あたり10人程度というと稀な感染症と感じますが、大きな病院なら複数の患者が通院しているレベルの数字のようです。

結核は新型コロナと違って、2週間以上症状が続くことが一般的なので、「風邪症状が長引いている」というときは、医療機関を早めに受診する必要があるとしています。

この様に結核は決して過去の病気ではなく、良い治療法があるとはいえ現在でも注意すべき感染症といえるようです。現在はコロナ対策として近年にない感染症対策が行われていますので、インフルエンザのように結核も抑えられているのかもしれません。

多分結核菌がいなくなることはないような気もしますので、結核は注意すべき感染症のひとつといえるようです。


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