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早期の膵臓ガンを血中酵素の活性異常で発見

2024-03-09 10:37:46 | 健康・医療
私の友人知人も亡くなる人が出てきていますが、ほとんどがガンが原因となっています。

特に膵臓ガンは自覚症状もなく、見つけにくい位置にあるなどで早期発見が難しいようです。東京大学などの研究グループが、比較的早期の膵臓ガン患者の血液に含まれる酵素の活性異常を見つける検査方法を開発しました。

生体内には数千種類もの酵素が存在し、酵素を構成するタンパク質群は体の外から受ける環境や、身体の内部の変化を一定に保つうえで重要な役割を担っています。

さまざまな病気の発病に関連して酵素活性の異常が起きるものがあり、この現象は既に発病の有無を調べるバイオマーカーとして活用されています。しかしこれまでの方法では、血液中に極微量しか含まれない酵素を検出することは難しい事でした。

東京大学と理化学研究所、日本医科大学の研究グループは、これまでに血液中にごく少量含まれる酵素を「1分子レベル」で判別、検出する方法を開発していました。

研究グループは今回開発した「1分子酵素活性測定技術」を用いて、比較的早期の膵臓ガン患者の血液のさまざまな酵素活性の異常を調べました。その結果DPP4、エラスターゼ、CD13などの酵素の活性が健常者の活性と優位に異なり、異常が起きていることを突き止めました。

DPP4はⅡ型糖尿病の治療標的にもなっている酵素の一種で、エラスターゼは膵臓や白血球中の好中球で作られ、細胞外のエラスチンという物質を加水分解する役目があります。これらは血液中にわずかしか含まれず、これまで「分光学的手法」と呼ばれる従来の方法では検出できませんでした。

国立がんセンターが昨年3月に発表した「ガン5年生存率」では、ガン全体では66.2%だったのに対し、膵臓ガンは12.7%と小細胞肺ガンの11.5%と並んで目立って低くなっています。

ガン統計によると2019年に膵臓ガンと診断された人はのべ4万3865人で、2020年の死者は3万7677人となっています。政府が昨年3月に閣議決定した第4期ガン対策推進基本計画でも膵臓ガンなどの難治ガン対策を重点施策の一つに掲げています。

研究グループは、これまで膵臓ガンの早期発見は難しく、早期発見できるバイオマーカー開発が待たれていたが、今回開発した検査方法は膵臓ガンの状態変化を反映できるバイオマーカー候補の発見につながったとしています。

今後は実用化に向けた取り組みを進める方針のようです。方法の詳細は分かりませんが、血液検査で膵臓ガンが診断できれば、早期発見の可能性は高いような気がします。


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