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脳の血管障害、動脈の硬さが血圧より寄与

2024-01-06 10:35:25 | 健康・医療
私の知人がふらつくなど体調が悪いというので、飲んでいる薬を聞いたところ7種類もありました。

そのうち降圧剤ぐらいを止めてみたらといったのですが、親戚が脳卒中で死んでいるので怖くてやめられないとのことでした。こういった多剤服用も問題ですが、ここでは脳の血管障害の話です。

脳卒中や認知症の因子となる脳の小さな血管障害(脳小血管病)は、動脈硬化が血圧より大きく寄与していることが、琉球大学などのグループの研究で分かりました。これまで脳小血管病の予防には血圧を下げることが推奨されていましたが、動脈硬化を防ぐ方が重要であることを示唆しています。

ただし動脈硬化の進行を遅らせる薬はないことが問題かもしれません。琉球大学の研究グループは、2013〜20年に沖縄県健康づくり財団で脳ドックを申し込んだ男女1894人を対象に、脳のMRI画像診断と血圧測定、動脈硬化度を調べました。

1894人の内訳は、24歳から89歳の男性1118人、女性776人で、脳疾患や自覚症状や脳卒中の既往はない人です。動脈硬化には2種類あるとされ、欠陥内部が狭くなるタイプと、動脈そのもののしなやかさが失われるタイプがあります。

前者はメタボや糖尿病によって引き起こされ、コレステロール値が大きく関係しています。後者はコレステロール値に関係なく、若い世代でも起きます。今回調査したのは後者のタイプで、硬化の初期は血管を再び柔軟にできますが、ある一定の硬さに達すると元に戻りません。

動脈硬化度は、脈が上腕から足首に伝わる速度(baPWV)を測定しました。血管が硬いほど数値は高くなります。

血圧は上120、下80、baPWVは14.63という基準値を境に、1血圧が高く動脈硬化が進んでいる、2血圧が高く動脈硬化は進んでいない、3血圧が低く動脈硬化が進んでいる、4血圧が低く動脈硬化は進んでいない、という4つの群において脳小血管病が見つかるかどうかを調べました。

その結果血圧の高低には関係なく、動脈硬化が進んでいる人は2倍超の高い割合で脳小血管病を発症していることが分かりました。具体的には動脈硬化が進んでいない群の発症率は22〜24%なのに対し、進んでいる群では55〜56%でした。

研究グループは、「血圧を下げて脳小血管病を防ぐことが基本とされていたが、動脈硬化度を診察のたびに測定するとリスク評価できることが分かった」としています。

このように動脈硬化の予防・治療が重要なようですが、このための薬がないことが問題かもしれません。結局食生活の見直しや禁煙といったいつものことですので、あまり参考にならないと言えそうです。


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