ごっとさんのブログ

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片頭痛の新しい治療薬が続々と登場

2021-11-20 10:38:11 | 
私はいわゆる頭痛もちではなく、あまり頭痛がするという経験がありません。

若いころまだ酒が飲めなかったのですが、やや無理に飲んだ後など酔いがさめてくるときに、かなりひどい頭痛がしたという記憶がある程度です。

私の周りにも片頭痛で悩んでいる人はいませんので、それほど多い病気とは思っていませんでしたが、日本の患者数は約840万人と推定されています。この片頭痛を抑える注射薬がこの春以後相次いで登場したようです。

片頭痛は月1,2回以上、頭の片側がズキズキと痛む発作が起きる状態を指します。痛みは数時間から3日程度続き、吐き気を伴う場合や光や音に過敏になることもあり、仕事や学業への影響も少なくないとされています。

20〜40代が目立ち、女性が男性の4倍になるようです。片頭痛は脳内の三叉神経からでる「CGRP」という物質が脳内の血管に取り込まれることで起こると考えられています。

天気の変化やストレス、飲酒などの刺激でCGRPは過剰に放出され、血管が広がり炎症を起こすようです。片頭痛が起きたときの治療薬には、痛み止めの薬や血管の炎症を抑える「トリプタン」があります。

それでも改善しなかったり発作の回数が多かったりする場合には、てんかんなどの別の病気の飲み薬を予防薬として使っています。今年4月以降に実用化された3つの新たな注射薬は、いずれも頭痛を予防する効果があるとされています。

「エムガルティ」と「アジョビ」はCGRPの働きをブロックし、「アイモビーグ」はCGRPが血管表面の受容体と結合するのを妨げます。

具体的な治療として、48歳の女性の例が出ていました。この女性は20代から頭痛に悩まされており、月に15日というのはかなり重い方です。当然トリプタンを服用していましたが、5月からエムガルティの治療を始めました。

その結果頭痛は月5日程度まで減り痛みも軽くなり、トリプタンを飲む頻度も月2,3回に留まったようです。しかしエムガルティを含めた3つの新薬の薬価はいずれも1本あたり4万円を超え、この女性の治療費も月約1万4000円(3割負担)となり、長期間治療を続けると経済的負担が大きくなりそうです。

厚生労働省は、これらの新薬を適正に使用するための指針を定めています。対象は従来の治療で十分な効果が得られなかった患者に限定し、投与できる医師も5年以上の頭痛の診療経験がある専門医としています。

この様に今回開発された治療薬は、従来のものと一線を画する効果があるようですが、症状が改善しない場合もあり、どのような患者に有効なのか今後の検証が必要なようです。


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