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脳科学で紐解く睡眠と創造性

2020-05-29 10:22:11 | 自然
このところ脳のはなしを多く取り上げていますが、ここでは睡眠中に脳で何が起こっているのかを脳科学で検証しています。

起きているときに何らかの問題に精いっぱい取り組んでも分からなかったことが、一度睡眠を取った次の日突然答えが降ってくるといった経験は時々あるようです。

一日中楽器の練習をしてもうまく弾けなくて、疲れて睡眠をとった次の日に、突然上手に弾けるようになるという事もあります。睡眠はこのように創造的な手法や答えを見つけるための重要な時間と言えます。

実際は睡眠中だけでなく脳を休息させるだけでも十分な効果が得られるのですが、いわゆる睡眠中に行われる「情報の選別タイム」を作ることが大切です。覚醒時に受けたたくさんの情報から、思考を繰り返しながら一時的な知識としての確率分布が作成されます。

それが情報の選別タイムに入ると、たくさんある短期的記憶情報(エントロピーの低い確かな情報)だけをピックアップします。そして重要な情報の塊は、一つの情報としてチャンク(情報の圧縮)されます。

ひとつに圧縮された情報は、低情報量で長期記憶貯蔵庫へ送り出すことができるのですが、この時点で本来別々の情報だったものが、チャンクによって一つの情報とみなされるので、全体の情報量も減り情報全体の確率分布も変化します。

この処理により最初の試行段階では、脳のメモリー容量いっぱいまで使ってすべての情報を処理していたものが、チャンク(情報の圧縮)によってメモリーに余裕ができ、新しい情報を取り入れたりさらに深い思考ができるようになります。

新しい情報をこれまでの記憶情報と組み合わせることも可能になり、確率分布自体も最初のものと比べて変化していくので、これまでになかったような新しい発想も生まれてくるのです。

こうして脳のメモリースペースが開くことで情報処理速度も上がり、莫大な情報処理を瞬間的に行わなければいけないような思考も可能になるのです。

チャンクされた情報は意味記憶とみなされ、これを自由に組み合わせることで自分だけのエピソード(ストーリー)記憶を創造することもできます。会話でいうところのさまざまな単語(意味記憶)を組み合わせて、自分の気持ちを文章(エピソード)にするようなものです。

このように睡眠中に行われる、情報選別、記憶の定着、情報の圧縮(チャンク)などを通して、創造的な思考が高まると考えられます。

ややわかりにくい文章となりましたが、睡眠が脳にとっては非常に重要で、これによって難解なことも理解できるという事のようです。


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