ごっとさんのブログ

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トイレットペーパー騒ぎは何だったのか

2020-05-28 10:32:02 | 時事
トイレットペーパーが店頭から消えました。

人は開店と同時にドラッグストアやスーパーに殺到し、トイレットペーパーを抱えて帰ってゆくという、あの「買いだめ騒動」はなんだったのでしょう。

私の家ではいつも買っている種類が買えなかった程度で、特に被害といったことはありませんが、一時店頭から消えたことは確かなようです。

コロナ自粛に伴って、マスクを始めとしてさまざまな日用品が多くの人によって買い集められ、入手困難になりました。その後ほとんどの品薄は解消されましたが、いまも商店の棚から消える日用品が見受けられます。

このトイレットペーパー騒動については、NHKが面白い報道をしていました。東京大学がこの騒動についてSNSの分析をしたところ、不足するだろう(中国製だから)といったのはたった1人で、それがデマであるというメッセージが2日後には460万を超えるほどになったそうです。

それでもトイレットペーパーは店頭からある時期ほぼ消えてしまったのです。デマだという情報が多数発信され、多くの人がそれに接しているにもかかわらず、結局はデマに従った行動をとっているという事になります。

これを認知科学(心理学の一種)的に解析すると、理由の一つが「相互不信」による、社会的ジレンマとしています。

つまりみんなが冷静に行動すれば何の問題もないのですが、無謀な行動をとると無謀な行動をとった人には利得が生じ、冷静な行動をとった人は損害を被ることになります。そのため無謀な行動をみんなが取ると、全員に大きなコストがかかるという状況なのです。

社会心理学的には、自分は平均よりは賢くまともだと多くの人が考えています。自分は平均以上だということは、自分より馬鹿なやつやおかしなやつの方が多いという事になります。本来なら、自分以下の人が自分と異なる行動(ここでは買いだめ)をとるとは限りません。

しかし平均より賢くまともな(と思っている)人は、自分以下の人間の愚かな行動を予測し、自分もその一部となり買いだめに走るという奇妙な図式が出来上がるとしています。

第二の理由が「何度も見聞きするので、意識に上りやすくなる」というものです。街中で行列を見たり、スーパーや薬局の前を通りかかった時、「トイレットペーパー不足」、「買いだめ」という言葉が連想されるというものです。

これも「デマである」という情報はあるのですが、心理学的にはかえって購買意欲がそそられるようです。

その他色々分析をしていますが、今回のようなトイレットペーパーの買いだめは、社会心理学的に当然の結果と言えるようです。


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