ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

新型コロナの治療薬は見つかるのか

2021-01-24 10:24:27 | 
このところ新型コロナ関連を取り上げることが多くなっていますが、発生から1年が経過しようとしています。

その間既存薬で新型コロナの治療に使えそうな薬の探索が進み、多くの薬が候補として上がっています。

すでに日本でも承認されているものもありますが、その実力のほどはまだ分かっていないというのが実情のようです。ここではそういった治療薬候補についての色々な情報をまとめてみました。

まず日本でも昨年承認されたアメリカの製薬会社が開発した「レムデシビル」についてです。レムデシビルはもともとエボラ出血熱を治療するために開発され、コンゴで2019年までに臨床研究で使用された薬です。

臨床試験の結果ほかの治療薬の方が効果が高かったため、エボラ出血熱用としては使用されなかったものの、ウイルス感染症一般を治療する効果を持つことが知られています。

エボラウイルスもコロナと同じRNAウイルスで、同じようにRNAポリメラーゼと呼ばれる酵素を使って自らの遺伝子をコピーして増殖します。レムデシビルはこのRNAポリメラーゼを阻害することによってウイルスの増殖を阻止する薬です。

抗ウイルス薬を設計する際にまず注目されるのは、このRNAポリメラーゼの阻害と言われています。RNAウイルスしかターゲットにできませんが、いろいろと問題になっているエボラウイルスやインフルエンザウイルス、そしてコロナもこのRNAウイルスです。

ヒトもこのRNAポリメラーゼを持っていますが、ウイルスのポリメラーゼとは多分構造が異なることから、あまり副作用のない抗ウイルス薬となることが期待されるわけです。

実際は同じ作用を持つ酵素ですので、阻害の方法によってはポリメラーゼ全体に作用してしまうことも多いようです。この酵素によるウイルスのRNAの複製は、感染したヒトの細胞の中で起きますので、それを阻害するにはいろいろな問題があるといわれています。

同じRNAポリメラーゼ阻害というメカニズムを持つものが、一時話題になっていた「アビガン」です。これはインフルエンザウイルス用ですが、ウイルスの種類が違ってもポリメラーゼの構造は類似しているのかもしれません。

エボラとインフルエンザ、コロナのポリメラーゼの類似性はよくわかりませんが、少々違っていても作用点の構造は似ているのかもしれません。

ただしレムデシビルもアビガンも薬としての「切れが悪い」ことは確かなようですので、RNAポリメラーゼ阻害というのが、理論よりも実際は効果が少ないのかもしれません。

これからもレムデシビルやアビガンは多くの患者に使われ、評価が出てくると思われますが、他のウイルス用の転用ですので、やはりコロナ用のポリメラーゼ阻害剤が特効薬となるのかもしれません。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿