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近視を治療する新しい眼鏡が開発

2021-01-25 10:24:00 | 健康・医療
日本を含めアジア諸国で急速に「近視」が増加しており、2050年には世界の約半数がかかるといわれています。

現状ではメガネやコンタクトレンズで矯正するか、レーシックなどの手術で視力の回復を図るといった治療が一般的ですが、「クボタメガネ」という全く別の治療法が開発されています。

メガネのレンズに網膜だけが認識する画像を映し出し、その画像の刺激によって近視の原因となる症状を抑制し治療を目指す仕組みです。据え置き型やヘッドマウントディスプレー型を用いた臨床試験では、既に近視の治療・抑制に効果があるという概念実証(POC)を獲得しているようです。

昨年12月にはメガネ型のプロトタイプを発表しています。このメガネはフレームとレンズの境目にLEDの突起が8個ついています。ここから光を照射し、中心部にある鏡で反射して網膜に画像を映し出す仕組みです。

レンズについては、鏡のついた度数無しのレンズと使用者の近視に合わせた度数入りのレンズが重なっています。このメガネが近視を治すメカニズムは以下のようです。

近視の原因の多くは軸性近視と呼ばれるもので、眼軸長(角膜の頂点から網膜までの長さ)が伸び、目の焦点が網膜の手前に移ることで遠くのものが見えにくくなります。本来眼球は球形ですが、眼軸長が伸びることでナスのような形になります。

そこで眼軸長の伸びを抑制したり、伸びてしまった眼軸長を短縮させたりすることができれば、近視の抑制や治療につながります。眼軸の伸びを抑制する刺激を網膜に与えるデバイスとなったわけです。

実際に映し出している画像は、網膜だけが認識する模様なようなもので、脳は認識しないもののようです。網膜は常に刺激を受けていますが、脳が認識していないので日常作業には支障がないことになります。

実際に設置型のデバイスを用いた短期試験では、1日1時間網膜に刺激を与えることで、眼軸が短くなることが証明されています。眼軸長は年齢と共に伸びる、あるいは成長が止まるもので、人工的な光で眼軸長が短くなるというのは初めてのことです。

今回開発したメガネは、子供をターゲットとしています。眼球が成長している段階の方が、近視の治療や抑制に効果が高いと考えられるようです。眼軸長の伸びを抑えつつ、眼球の成長を待てば、焦点と網膜を一致させることが可能となります。

私は軽い近視でしたが、老眼が進むにつれて近視が治ってしまいました。老化でレンズの焦点が長くなり、ちょうど網膜に結ぶようになったのかもしれません。

知人にも重度の近視は多いですので、こういった眼鏡をかけるだけで治療するというシステムは早く実用化してほしいものです。


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