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脳年齢を調べる「脳ドック」

2018-10-20 10:13:44 | 健康・医療
厚生労働省が発表した2017年人口動態統計の概況によると、日本人の死因の第3位が「脳血管疾患(脳卒中)」となっています。

「脳卒中」とは、脳の血管が詰まる脳梗塞、脳の血管が破れて出血する脳出血、血管にできたこぶ(脳動脈瘤)が破裂して出血するくも膜下出血などの総称です。脳卒中は無自覚のうちに突然発症することが多く、たとえ一命をとりとめても後遺症が残って要介護となりやすい怖い病気です。

この脳卒中を早期発見するための検診が、1988年ごろから始められた「脳ドック」です。当初は頭痛がきになる、両親が脳梗塞を患ったから自分も心配だ、などが脳ドックの主な動機でしたが、最近はそのニーズが変わってきたようです。

65歳以上の人口が全人口の2割以上を占める超高齢化社会の現在では、認知症への不安から、物忘れや脳の萎縮などを気にして、40代以後の働き盛り子育て世代は男女を問わず脳ドックを受診する人が増えたようです。

そうした背景を受けていくつかの病院では、脳の加齢を数値化した脳年齢を提示する「脳年齢」脳ドックを2018年から開始し始めました。これは東北大学加齢医学研究所で構築してきた大規模脳画像データベースに基づく解析技術を導入した画期的なもののようです。

この検査ではまず最新の認知力テストを受けます。これは東北大学での研究成果を用いて独自に考案したテストで、通常の認知症テストよりもやや難易度が高いようです。続いてMRI検査を受けますが、これについてはこのブログでもかなり詳細に取り上げましたので省略します。

脳年齢は認知力テストの結果と脳のMRI画像を、AI(人工知能)によって過去の大量データと照合し、平均値と比べて何歳相当の脳であるかを算出します。さらにMRI画像から脳の状態を詳しく調べるという手順となっています。

例えば顔の感覚を脳に伝える三叉神経、聴覚と平衡感覚を脳に伝える聴神経などの神経の周辺や、内分泌器官である脳下垂体などの状況を詳しくチェックするようです。

さらにこの脳ドックでは、脳の形体を解析することで、海馬に委縮がないかどうかを調べることもできるようです。簡易チェックで当てはまる場合は、脳年齢脳ドックを受けた方が良いようです。

ただし現在ではこの脳年齢が分かり自分の脳が予想以上に老化していることが分かったとしても、それに対する治療法がほとんどない状況では、あまり受診する意味がないような気がします。

単に健康な人が心配になり、受診して適切な脳年齢で安心するためだけであれば、かなり高額な受診料が安心料に匹敵するのか程度なのかもしれません。

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