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生命の起源は「火星にある」という新しい説

2022-07-19 10:27:05 | その他
生命の起源に私は大いに興味を持っており、色々な説をこのブログでも紹介しています。しかし非常に難しい課題であり、私の生きているうちでは結論は出ないだろうと思っています。

最近カルフォルニア工科大学のチームが、太古の生命は地球で生まれたのではなく火星からやってきたという新しい説を発表しました。

40億年前の地球は、陸がほとんどなく海ばかりの惑星だったようです。生命が誕生するには有機物で大きな分子を作る必要があり、水が多すぎると反応は進みにくくなってしまいます。

一方火星には海だけでなく陸も存在しており、40億年前の2つの惑星を比べると、火星の方が生命誕生にふさわしかったということのようです。このチームは生命の基本である核酸に注目しており、DNAとRNAの成り立ちを調べています。

なお私はその前に酵素となるタンパク質が重要と考えています。そのRNAはヌクレオチドという有機物が長くつながり鎖となったものです。ヌクレオチドの合成には、陸でかつ水の流入と感想を繰り返す環境こそ理想的であり、太古の火星に存在したことが分かってきました。

ここでカギとなる物質がモンモリロナイトという粘土で、化学反応を促す力があるようです。このモンモリロナイトはもちろん地球にも存在し、昔から有機化学者も取り上げてきましたが、化学反応を進める力が弱くあまり実用的なものではありませんでした。

彼らはモンモリロナイトと活性化させたヌクレオチドの溶液をほんの少し加えてかきまぜ、3日経ってから測定機にかけたところ、ヌクレオチドは最長で15個つながっていました。

研究チームはこの方法で50個も繋げたことがあるそうで、モンモリロナイトさえあれば、生命が生まれた可能性は高いとしています。これは単に長鎖の核酸が自然にできることを示しただけで、生命誕生にはかけ離れていますが、それが火星で起きたという根拠はあまりないような気がします。

火星で生まれた生命が隕石に乗って地球までやってくる状況を、到達時間や宇宙での放射線、大気圏突入の温度など詳しく検証し、その可能性を否定できないとしています。

ただここで不足しているのが、30億年前の地球は当時の火星と似た環境になったのにもかかわらず、40億年前に火星で生命が誕生したとする方が有意義である根拠です。

この報告を読む限り、40億年前の環境は火星の方が生命誕生に適していたかもしれませんが、地球ではなく火星で生まれたとする優位性はないような気がします。

ここでモンモリロナイトで核酸合成が進んだという実験はある意味進展といえるかもしれませんが、それが火星で起きたとするにはいろいろ問題が多い気もします。


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