ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

イベルメクチンはコロナ治療薬となるのか

2021-04-23 10:29:45 | 
新型コロナの感染者数はまた増加の傾向があり、ついに東京都にもまん延防止の措置から緊急事態宣言となりそうです。

私も久しぶりの囲碁の会をやることになっていましたが、この状況では高齢者の集まりは自粛しようということで中止になってしまい残念です。ワクチン接種が終わればそれなりに安心できるのですが、これもいつ接種できるか不透明な部分が多いようです。

このところワクチンの話題ばかりで、コロナ治療薬の話はどこかに行ってしまったようですが、確実に効果のある治療薬の開発も期待しています。日本発の薬剤として一時話題になった「イベルメクチン」は治療薬になるのか気になるところです。

この薬の発見者である大村先生の所属する北里大学感染制御センターの治験では、予防に89%、早期治療に82%、死亡率にも75%の改善がみられると報告しています。この治験の規模などの詳細は分かりませんが、十分なエビデンスに基づくとまではいえないようです。

こういった報告は世界各国から出ているものの、現時点では承認の方向には向かっていません。アメリカFDA(食品医薬品局)が新型コロナの治療と予防にイベルメクチンを使用しないよう警鐘を鳴らし、欧州EMA(欧州医薬品庁)が臨床試験以外での新型コロナ予防、治療を目的としたイベルメクチンの使用を控えるべきという勧告を出しています。

これを見るとイベルメクチンが治療薬となる可能性がないような感じがしますが、実際にはまだ安全で有効性の高い治療薬であるということを証明するエビデンス(検証結果)がまだ不足しているということのようです。

この辺りはコロナ特有の臨床試験の難しさもありそうです。日本では毎日2000人以上の新規感染者が出ていますが、大部分は無症状であったり軽症の患者です。

治療薬の治験をするためには、中等症ぐらいの患者を集める必要がありますが、この大部分も治療しなくても回復します。治療薬の検証をするためにはかなり多くの患者で試す必要がありますが、これも全国にばらついているため困難なこととなっています。

またイベルメクチン特有の問題も一部では取りざたされているようです。この薬は寄生虫の薬として承認されていますが、非常に安価な価格となっています。

あまりにも安いため製薬会社としては高価な薬を開発するために、イベルメクチンには興味を示していないということもあるとしています。その他駆虫薬としての使用量ではコロナ治療には少なく、その数十倍が必要なため新たな安全性の検証も必要なようです。

現在はワクチン接種が進めばコロナ問題は何とかなるというムードですが、インフルエンザのようにワクチンがあっても数百万人が感染しています(今シーズンは少なかったようですが)ので、治療薬とのセットが必要不可欠と考えています。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿