ごっとさんのブログ

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キノコの光や毒は何のためか

2022-04-10 10:28:19 | 自然
私の家では2人ともキノコが割と好きで、よく食卓に出てきます。

キノコのうち十数種類が人為的に栽培されているようですので、まだまだ食べたことのないキノコも多いのかもしれません。

キノコは分類学的には担子菌というカビの仲間で、その子実体と呼ばれる部分がいわゆるキノコになっています。私は化合物の微生物代謝という研究をしたことがあり、その時色々な担子菌を使いました。

液体培養では子実体が出ることはないのですが、静置培養では何かを失敗した時に無数のキノコが出てくることがあり、懐かしい思い出になっています。

キノコの毒は昔から有名ですが、まれに間違えて中毒になったという報道などがありますので、自然のキノコを食べるには注意が必要です。キノコに毒がある、つまりキノコの成分がヒトに何らかの生理作用をするわけですので、これが薬にならないかの研究は数多く報告されています。

この点は省略しますが、担子菌由来の医薬品は存在しますので、キノコの成分が薬になっているのは確かなようです。

先日光るキノコの話が放映されましたが、エナシラッシタケというキノコは星空のように無数の緑色が浮かび上がっていました。傘からとても強い光を放つヤコウタケなどが有名ですが、その他にもかなりの種類のキノコが光を発するようです。

この発光のメカニズムは解明されていますが、光る理由についてはまだ諸説が出ている段階です。その中でも有力なのが、光で虫や動物をおびき寄せ、自らの胞子を運んでもらうという説です。

キノコが子孫を残すためには、自ら胞子を飛ばすだけではなく、胞子を運んでくれる他の生き物たちへアピールすることが重要です。この目的のためには、食べられるタイミングが重要としています。

例えば胞子をつくっている最中のキノコの傘は、辛味や苦み(これが毒物となります)が多く、望まないタイミングで食べられてしまうことを防いでいると考えられます。これが胞子を作り終えると枯れてきて、苦みや辛味はなくなり多くの生物に食べられるようになるそうです。

その他キノコの仲間では、モグラの巣の上にだけ生えるものなどがあります。モグラは巣の中を清潔に保つため、常に決まった場所をトイレとしています。このキノコはモグラのトイレから栄養をもらい、モグラのトイレをきれいに保つ働きをするというモグラとの共生のような関係を築いているようです。

このようになぜキノコは光ったり毒があるのかという点は、他の生物とのコミュニケーション手段であろうという結論になっていました。

まだまだ自然界には面白い現象は数多く残っているのかもしれません。


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