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ごっとさんのブログ

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寝たきりになってしまう人が示す兆候とは

2025-04-29 10:32:45 | 健康・医療
ほとんどの高齢者は寝たきりなったりせず、ピンピンコロリを願っていますが現実はなかなか難しいようです。

ヒトの体には予備能力(余力)があり、病気やケガをして一時的に体力が低下しても、そこから回復する能力が備わっています。しかし高齢になると、その能力が著しく低下してしまいます。

この加齢に伴う身体諸機能の低下(余力の低下)は、特に75歳以上の後期高齢者で顕著となり、感染症の罹患や事故の発生頻度が高くなるとともに、そこからの回復力(復元力:レジリエンス)も低下します。

また消化器系、循環器系、整形外科(運動器)系を問わず、手術後の回復が遅れたり十分に回復しなかったりして、要介護状態に陥るリスクが高くなります。このような高齢者に特徴的にみられる脆弱性が高まった状態をフレイルと呼びます。

フレイルは日本老年医学会が2014年に新たに提唱した疾患概念です。身体的な面でのフレイルの原因としては、骨・関節・筋肉などの運動器の衰えが挙げられ、先に述べたロコモティブシンドロームやサルコペニアなどが関連します。

そして高齢者に多い慢性疾患や多剤併用などがこれらを加速させ、身体活動量の低下や食欲減退から、低栄養、筋量・筋力の低下を起こす悪循環(フレイルサイクル)が起きやすくなります。

一方心理的な要因としては、加齢に伴う認知機能の低下や抑うつ気分などが挙げられ、家事や買い物など様々な場面で適切な行動・判断ができにくくなることが問題となります。また社会面での原因としては、孤立しがちになることで、引きこもりや孤食が常態化しがちです。

フレイルの特徴は、このような3つの原因が重なることで、状態がどんどん悪化していくことです。たとえば身体機能の衰えによって外出が億劫になることで引きこもりがちの生活になり、それが社会性の低下を引き起こします。

また引きこもりがちな生活が続くことで、さらに身体機能や認知機能が低下することにもつながり、心身の機能がどんどん衰えていくという負のスパイラルに陥るのです。

フレイル状態にあるか否かを判断する基準としては、5つの項目が設定されており、3つ以上が該当するとフレイルとし、1,2個該当するとフレイルの前段階であるプレフレイルとされています。ここでは省略しますが、どうも私はプレフレイルかもしれません。

高齢者にとっては日常生活において、定期的に軽い運動・身体活動をするだけでもフレイル予防になりますが、タンパク質やカルシウム、ビタミンDなどの筋肉・骨を構成する栄養素の摂取不足を回避することにも十分な配慮が必要です。

フレイルにならないよう予防するか、歳のせいとあきらめるのかは微妙なところかもしれません。