ごっとさんのブログ

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磯野浪平氏は時代錯誤か

2020-10-12 10:26:51 | その他
先日新聞でサザエさんのお父さんの磯野浪平氏が、54歳という設定であることを知りました。

漫画やアニメを見ても浪平さんは初老の良いお父さんという所作が出ています。この描き方は現在の54歳と比べて、老けすぎていないでしょうか。

サザエさんが広まっていった1960から70年代では、50代中盤というと浪平さんぐらいが平均だったのか、当時は55歳定年でしたので、引退間近のおじさん像だったのかもしれません。確かに亡くなった義父の引退頃の感じはこんなだったかもしれません。

しかし現代の50台を見ると、はるかに若々しくまだ働き盛りという感じがします。この半世紀で若々しさが目立ち、現在の60代は昔の40代(ちょっと言い過ぎかもしれませんが)といえるような気がします。

もちろん個人差はありますが、平均的にはかなり若返っているといえるでしょう。自分のことはよくわかりませんが、私の麻雀仲間は全員70歳を超えていますが、昔のじいさんのイメージはありません。

単に見た目が若くなっているというだけではなく、平均寿命も十分延びてきています。これが若くなっていると仮定して、何が原因なのでしょうか。

そもそも「老い」とは何かを考えると色々な定義はありますが、最終的な遺伝子から見ると、DNAの損傷によってゲノムが不安定になる、染色体の末端を保護するテロメアが短くなる、遺伝子スイッチのオンオフを調整するエピゲノムが変化する、といったところでしょう。

この内DNAの損傷は、酒やタバコ、化学物質、紫外線といった外的要因もありますが、圧倒的に多いのは複製時のコピーミスです。テロメアの短縮もそうですが、長く生きて細胞分裂回数が増えることが老化の原因となるわけです。

遺伝子的には外的環境など無関係に、生命活動を維持することが老化となってしまうわけです。つまり遺伝子的には若返る要因は全くないことになります。では環境の変化でしょうか。

健康に重要といわれる睡眠時間については、あまり詳しいデータがないのではっきりしていませんが、半世紀前と比較するとやや短くなっているようです。また運動量については、交通手段などの進歩により減っているのではないかと推測しています。

つまり睡眠時間や運動量は若返りに寄与していないような気がします。最後に食事ですが、これが最も大きく変わってきたことは確かです。欧米化などといわれていますが、肉類などタンパク質は確実に増えているでしょう。

しかし食料全体を見ると、肥満する傾向にはありますが、若返りに寄与すると考えられるものは全く見当たりません。この半世紀で若さを保っていられる要因は、たぶん食べ物ではないかと思いますが色々調べてみても良くわかりませんでした。

非常に多種の複合的なことかもしれません。結局若さを保つ秘訣は不明なままの方がよいのかもしれませんし、その方が楽しみがあるような気もします。