新型コロナウイルス感染症の治療薬を、まずは既存の感染症薬の中から見つけ出そうとする動きが加速しています。
このブログでも可能性がありそうとする薬剤についていくつか紹介していますが、なかなか抗ウイルス薬というのは難しそうです。
まずウイルスについて簡単に説明しますが、ウイルスはタンパク質でできた外套膜という殻の中に遺伝子(コロナはRNAです)が入っているだけの非常に簡単な構造です。この外套膜上の受容体で細胞表面のタンパク質を認識し、結合して細胞内に侵入します。
こうしてウイルスに侵入された細胞は、通常の活動をすべて止め、ウイルスの部品を作る作業に専念するようになります。つまりRNAをどんどん複製して、外套となるタンパク質を合成していき、それを組み合わせて新たなウイルスを作り出すことになります。
ウイルスは自身で増殖することはできませんが、細胞内に入れば数多く増殖され、細胞を壊して外に出ていきまた新たな細胞に侵入することを繰り返すわけです。
ここに抗ウイルス薬の難しさがあります。病原菌などを薬で殺す場合は、増殖するための酵素や原料となる部品の取り込みを阻害しますが、ウイルスはこういったものはすべてヒトの細胞由来のものを使っています。
酵素を阻害するとしても、それはもともとヒトの酵素であり、それを阻害することは正常細胞の機能も止めてまうことになります。ですからウイルスの増殖を止めることはできるのですが、非常に重篤な副作用が出てしまう可能性が高くなります。
現在国立国際医療研究所などで臨床研究が始まっているようですが、こういた研究にも難しさがあります。
これは単純に私の推測だけですので、何の確証もありません。例えば200人のやや重症(軽い肺炎を起こしている)の患者をアビガン投与群100人と、プラセボ投与群100人に分けたとします。
これを14日継続した後、プラセボ群は70人回復し(患者自身の免疫で治ります)、アビガン投与群が76人回復したような場合、アビガンに治療効果があると判定するかという問題になります。
もちろん100人すべてが回復すれば問題なく効果がありとなりますが、実際はそんな結果はまず出ません。この例のように本来回復しない人の2割(この場合6人)が回復したのでたぶん効果ありと判定することになります。
通常の医薬品では有効率60%ぐらいになりますが、抗ガン剤では20%でも有効としていますので、ウイルスでも似たようなものと思います。
これは最低ラインの推定ですが、治療薬といってもこの程度しか効かないものと考えるべきでしょう。これはあくまで私の推測ですが、抗ウイルス薬というのはこういった難しさが存在するものです。
このブログでも可能性がありそうとする薬剤についていくつか紹介していますが、なかなか抗ウイルス薬というのは難しそうです。
まずウイルスについて簡単に説明しますが、ウイルスはタンパク質でできた外套膜という殻の中に遺伝子(コロナはRNAです)が入っているだけの非常に簡単な構造です。この外套膜上の受容体で細胞表面のタンパク質を認識し、結合して細胞内に侵入します。
こうしてウイルスに侵入された細胞は、通常の活動をすべて止め、ウイルスの部品を作る作業に専念するようになります。つまりRNAをどんどん複製して、外套となるタンパク質を合成していき、それを組み合わせて新たなウイルスを作り出すことになります。
ウイルスは自身で増殖することはできませんが、細胞内に入れば数多く増殖され、細胞を壊して外に出ていきまた新たな細胞に侵入することを繰り返すわけです。
ここに抗ウイルス薬の難しさがあります。病原菌などを薬で殺す場合は、増殖するための酵素や原料となる部品の取り込みを阻害しますが、ウイルスはこういったものはすべてヒトの細胞由来のものを使っています。
酵素を阻害するとしても、それはもともとヒトの酵素であり、それを阻害することは正常細胞の機能も止めてまうことになります。ですからウイルスの増殖を止めることはできるのですが、非常に重篤な副作用が出てしまう可能性が高くなります。
現在国立国際医療研究所などで臨床研究が始まっているようですが、こういた研究にも難しさがあります。
これは単純に私の推測だけですので、何の確証もありません。例えば200人のやや重症(軽い肺炎を起こしている)の患者をアビガン投与群100人と、プラセボ投与群100人に分けたとします。
これを14日継続した後、プラセボ群は70人回復し(患者自身の免疫で治ります)、アビガン投与群が76人回復したような場合、アビガンに治療効果があると判定するかという問題になります。
もちろん100人すべてが回復すれば問題なく効果がありとなりますが、実際はそんな結果はまず出ません。この例のように本来回復しない人の2割(この場合6人)が回復したのでたぶん効果ありと判定することになります。
通常の医薬品では有効率60%ぐらいになりますが、抗ガン剤では20%でも有効としていますので、ウイルスでも似たようなものと思います。
これは最低ラインの推定ですが、治療薬といってもこの程度しか効かないものと考えるべきでしょう。これはあくまで私の推測ですが、抗ウイルス薬というのはこういった難しさが存在するものです。