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ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

少量のアルコールは健康に良いのか悪いのか

2021-06-01 10:27:37 | グルメ
私は毎晩風呂から出てきて、少量の酒を飲みながらテレビを見るのを楽しみにしています。

こういった少量のアルコールが健康に良いのか悪いのかは、いろいろな研究が行われており、結論は出ていないというのが実情かもしれません。私は健康を考えて酒を飲んでいるわけではありませんので、どういう結果が出ても飲酒はやめないと思っています。

もともと少量ならば健康に良いという説は、「フレンチパラドックス」が発祥のようです。フランス人は肉やチーズなどの動物性脂肪を多く摂取するのに、他の国に比べると心筋梗塞や脳梗塞などの血管疾患で死亡する人が少ないというデータがあります。

これについてフランスの研究者は、1992年にワイン(特に赤ワイン)の消費量と関連がある可能性を指摘しました。これにより赤ワインは体に良いと信じられるようになり、赤ワインブームが起こりました。

ただこれは少量のアルコールが良いとしたわけではなく、赤ワイン中に含まれるポリフェノールに注目したような気がします。ポリフェノールの中でも、レスベラトロールに発がん抑制作用や、糖尿病を予防する作用があると考えられているためです。

レスベラトロールは作用機序の面から、糖尿病やガン、高血圧、認知症などの幅広い病気に効果があるのではないかと期待され、動物実験では糖尿病への有効性が示唆されています。

次にアルコールは「少量でも健康に悪い」の代表的な説が2018年に発表されています。この論文では「少量飲酒は、心臓病や糖尿病を減らすが、ガンや交通事故などのリスクを上げ、結論として健康に良い飲酒量はゼロである」としています。

これは195か国において、1990から2016年にかけて調査を行った大規模な研究ですが、メリットよりもデメリットが大きいと結論付けています。

日本で2005年に発表された、7万3000人の男女を対象に約10年追跡したコホート研究でも、男性のガンに関して大量の飲酒がリスクになることが指摘されています。

この研究によると、1日3合以上飲む人は1.6倍のリスクがあるという結果が出ていますが、「時々飲む」という人のリスクが最も低い(飲まない人より低い)という面白い結果になっています。

一方女性は少量の飲酒でもリスクになることが示されており、ワイングラス1杯弱ほどでも7.1%乳ガンの発症率が高まるという結果が出ています。こういった研究は多いのですが、アルコールが健康に良いという結果は少ないようです。

ただ「少量」のアルコールの量も同じではなく、かなり多い量に(私からするとですが)設定されているような気もします。酒類は基本的に嗜好品ですので、楽しく飲めるのであればあまり健康のことを考える必要はなさそうです。

「カキ」にあたる人とあたらない人は何が違うのか

2020-12-20 10:24:02 | グルメ
まさに旬の時期となった「カキ」ですが、生のまま食べたりカキなべなどさまざまな食べ方で楽しむ人が多いでしょう。

ここで問題となるのはいわゆる食あたりですが、なぜカキはあたりやすいかや、あたってしまう人と当らない人では何が違うのかといった解説が「オトナンサー」に掲載されていました。

私の家ではかみさんも私もカキが大好きで、カキフライやカキなべもしますが、何といっても生ガキをつるっと食べることにはまっています。

少し前までは近くの居酒屋などでも簡単に生ガキが食べられたのですが、最近は出している店がなくなり、宅配で冷凍生ガキを頼み解凍して食べたりしています。

まずなぜカキにあたるのかは、ノロウイルス、腸炎ビブリオ、貝毒、アレルギーが原因とされています。カキによる食中毒は、腹痛、下痢、嘔吐、発熱など通常の食中毒よりかなり激しい症状が出ると聞いています。

私はあたったことはないのですが、知人などで非常に苦しみ二度と生ガキは食べないという話をよく聞きます。かなりひどい症状が出るようですので、何か特別の病原菌がいるのかと思っていましたが、いわばありふれた食中毒菌のようです。

この記事ではなんでカキは激しい症状が出るのかについては、何の説明もありませんでした。私は加熱処理をすればあたらないと考えていましたが、どうも加熱が不十分のカキフライなどでもあたってしまうようです。

またあたるかどうかはその人の持つ免疫の力によって決まるという、まるでつまらない説明でした。つまり健康で元気な人はあたらないといいますが、仲間で最も元気そうでもあたったことがりますので、何か別な要因があるような気もします。

ついでに私のカキの思い出話を書いてみます。もう20年以上前の話ですが、学会出張でフランスに行きパリに帰ってきたとき、知り合いの大学の先生が隣のホテルでした。そこで夕飯でもいっしょにと誘ったところ、一人では食べられないカキ料理があると連れて行ってもらいました。

料理の名前は分かりませんが、1メートル近い氷の山の斜面に色々な種類の生ガキが貼りついているというものでした。よく見るような形からきれいな丸いようなものなど、本当にいろいろな生ガキを堪能できました。

この先生によるとカキにはレモンぐらいの酸を加えるとあたらないということでしたが、先生の専門は酵素工学ですのであまりあてにはなりません。満腹になるまでカキを食べたのは初めてでしたので、若干心配しましたが何の問題もなく帰国できました。

その後秋にパリに行ったときはもう一度この料理を食べたいと思っていましたが、良い機会がなくこの時のカキが良い思い出として残っています。

糖尿病予防と緑茶

2020-10-15 10:25:26 | グルメ
色々なメディアから各種の病気の予防になるといった食材が宣伝されています。

特にそれがテレビなどで報道されると、次の日のスーパーからその食材が消えるほど反響は大きいようです。

こういった報道は別にいい加減なものではなく、しっかりした科学的な根拠があるものがほとんどです。ただ問題は適量であればそれなりの効果が出るものを、過剰摂取した時どんな影響が出るかは分かっていない点です。

日本人は割と飽きやすい性質があるようですので、過剰摂取になるほど長い期間大量に摂ることはないのかもしれません。ここでは糖尿病の予防になるといわれている「緑茶」を取り上げてみます。

生活習慣とガンなどがどう関連しているかを調べるために行われた大規模コホート研究で、緑茶を1日6杯以上飲む人では、週1杯以下とほとんど飲まない人と比べて、糖尿病の発症率が33%少なかったとの結果が出ています。

また緑茶に関しては、日本を代表する疫学調査「久山町研究」でも、緑茶に含まれるテアニンという成分の代謝物エチルアミンの血中濃度が高い人は、2型糖尿病発症リスクが低いとの結果が出ています。

これを踏まえたさらなる研究では、血清エチルアミンの濃度が上昇するに従い、2型糖尿病の発症リスクは下がり最大で21%低下したとの結果でした。緑茶は糖尿病以外にも、心臓病や脳卒中のリスク低下、認知症予防などの研究結果が発表されています。

ほかにも緑茶のカテキンが血圧や体脂肪、脂質を調整し血糖値を改善するとか、緑茶のカフェインが血管を修復するといった可能性も挙げられています。

こういったことは研究で報告されていることですが、緑茶が糖尿病などにいいとは言い過ぎで、怪しいとは言えませんが、緑茶が糖尿病にいいと聞いたので、それを積極的にとり始めるということは賛成できない気がします。

緑茶は糖分や塩分が入っている飲物ではないので、普段から好きで飲んでいるなら問題はありません。しかし糖尿病にいいからと緑茶を飲み始める人は、過剰な飲みかたに陥りがちです。

夜中なかなか眠れないとか、トイレに行く回数が増えた、胃の調子が悪いなどの症状が出ることがあります。このあたりが過剰摂取の典型的な症状のようです。結局何か病気にいい食材というのは毎日報道されていますが、目的をもって摂り始めると過剰摂取になりやすくなります。

やはり日本食文化である、色々なものを少しずつ食べ、その中のひとつにそういった食材を含ませるという、普通の食事をとることが最も健康に良いような気がします。

つまり通常の食事に健康に良いものをさらに加えるのは、単に太る原因を作るだけではないでしょうか。

驚きの透明飲料の作り方

2020-09-11 10:24:57 | グルメ
残暑が厳しい日が続いていますので、出かけるときはペットボトルのお茶を携帯しています。

ところが先日忘れてしまったので、コンビニで珍しい水を購入しました。これを電車に乗って飲んだところ、完全に透明なのにジュースの味がしました。帰って調べてみると、こういった透明飲料がちょっとしたブームになっているようです。

そこでどうやって作っているのかを調べてみました。透明飲料ブームの火付け役になったといわれているのが、2010年に発売された「いろはす みかん」です。しっかりとジュースのような風味がついているにもかかわらず、見た目は透明というギャップが受け、この商品がヒットを飛ばしたことから、さまざまな透明飲料が開発されたようです。

2018年には、透明なコーラまで発売されています。この透明なコーラの開発には、様々なノウハウや技術、発想力が不可欠だったようです。透明にするためには、コーラの液色の元となっているカラメルを除く必要があるのですが、そうすると味のバランスが崩れてしまいます。

この開発では、原材料やフレーバーを試し、50種類以上のサンプルを作った末に、やっと販売にこぎつけたそうです。

2017年に透明な紅茶シリーズのミルクティーとレモンティーが発売されました。この透明紅茶の作り方には「高濃度アロマ抽出製法」という名前が付けられています。沸騰するお湯の上に紅茶の茶葉をセットし、茶葉に当てた水蒸気を集めることで、紅茶の香りだけを高濃度に取り出すことができました。

これに牛乳から抽出した透明な成分「乳糖」と「乳清ミネラル」を使うことで、水のような見た目でありながら、ミルクの風味が感じられるドリンクに仕上がったそうです。

2018年にはカフェラテを透明にした商品が販売されました。コーヒーを透明にするカギとなったのは、「クリアラテ製法」という独自の技術です。乳清ミネラルと共に、コーヒー豆からエスプレッソ抽出したコーヒーエキスを天然水に配合することで、カフェラテの味と透明な見た目を実現したとしています。

こうしてみると、色々な味の本体にはほとんど色がついていないことが分かります。私の専門としても、有機化合物に色がついていることはかなり珍しく。カロテンの黄色やアントシアニンの赤と青といった色素以外はすべて無色透明といえます。

したがって色々な飲物の味の本体は無色であってもおかしくないようです。ただ味覚というのは非常に微妙なものですので、微量の物質によって味は変わってしまうかもしれません。今回の透明飲料はそこまで味にこだわらないからできたといえるようです。

透明飲料が物珍しさだけでは、すぐブームは終わりそうで、長く続けるには何かの付加価値を見つける必要がありそうです。

太る朝食と痩せる朝食

2020-06-28 10:25:58 | グルメ
普段何気なく食べている朝食ですが、バランスが良くても「太ってしまう朝食」と「痩せる朝食」があるようです。

まず標準的な2種の朝食を見ますが、Aロールパン2個、目玉焼き、ウインナー、レタス、ヨーグルト、Bご飯、みそ汁、焼き魚、ほうれん草のおひたし、というパン食派とご飯派です。

一見するとどちらも品数が多くバランスがとれている良い朝食のようですが、実はAは太る朝食のようです。Aの朝食は野菜もタンパク質も乳製品もそろっているので、栄養バランス的には問題はありません。

AとBの決定的な違いは、「油」の量で、ご飯一杯分で脂質は0.4gほどですが、ロールパンは2個で4.8g、目玉焼きとウインナーを油で焼けばその分油の摂取量はさらに増えてしまいます。

またパン食の場合は、食べるおかずがほぼ毎日同じというケースに陥りやすいため、1食のバランスは良くても1カ月単位で見ると栄養バランスに偏りが出て代謝が落ちてしまいます。一般的なパンは小麦粉からできていますが、小麦粉は小麦を粉砕した物なので、粒になっているコメに比べると、早い時間で消化できます。

つまりそれだけ空腹になりやすいという事で、必然的に昼食までの間食が増えたり昼食でカロリーの高いものを選んだり過食につながります。朝は前日の夕食から10時間近くたっているため、胃腸が空になっています。

つまり食べものをよく吸収するということです。朝は空っぽの腸に食べ物を送り込むわけですから、栄養素をよく吸収するのです。脂質の多いパンの朝食が太りやすいのは、腸の吸収の良さも関係しています。

以上の理由から、ダイエットに効果があるのはごはん食で、魚や煮物、納豆などヘルシーなおかずとの組み合わせも増え、食品に偏りが出にくくなるので栄養バランスも整います。

日本肥満学会が定義した肥満の基準であるBMI25以上の人に、「朝食の主食」についてアンケートを取ったところ、48%がパンで半数にまで至りました。ちなみにご飯と答えた人は18%、麺類は11%でした。

一方BMI22以下の体重が標準以下の人の場合は、67%がご飯と回答しました。これでも朝のパン食が太りやすいという傾向があるという結果になりました。これはダイエットという程ではないものの、体重を気にした場合の朝食の摂り方ですが、やや誇張しているような気もします。

私の朝食は基本的には卵かけごはんで、たまにロールパンやクロワッサンを食べていますが、この説によれば比較的良い朝食なのかもしれません。やはり腸の吸収が良い朝食に、しっかりと食べることが健康には良いような気がします。