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ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

卵は1日何個まで食べてよいのか

2019-09-04 10:25:57 | グルメ
豊富な栄養素を持ち「完全食」と呼ばれる卵ですが、健康に与える影響には賛否両論があり、長らく1日何個まで食べてよいのかという「卵論争」が繰り返されてきました。

卵にはコレステロールが多く含まれていることもあり、1日に1個までという説や、卵を多く食べると長寿につながるというような説も出ていました。

今年3月にノースウエスタン大学から出た報告書では、「卵を1週間に3~4個食べる人は、全く食べない人に比べて心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高く、早死にする危険性がある」というものでした。

今回の研究は、約2万9000人のアメリカ人を平均で17年半追跡した6つの研究を「統合」して導き出されたもので、その分析も精緻に行われているようです。

この研究では、他の食事からとるコレステロールや生活習慣などの要因を厳密に取り除いたうえで、卵に含まれるコレステロールが心筋梗塞や脳梗塞、さらには死亡率に悪影響を及ぼしていることが明らかになったとしています。

この研究では何個までは大丈夫というという上限値は示されておらず、摂取量が少なければ少ないほど病気になるリスクがは低くなると判断されるようです。日本の専門家も、従来卵は一週間に6個程度が良いと指導していたものを、この論文から卵は控えめにした方が良いと説明しているとしています。

ただし卵の摂取量は栄養状態やそれ以外の食事内容、年齢などによっても変わる可能性があり、栄養が不足しがちな高齢者や育ち盛りの子供などは、必ずしも卵は控えた方が良いとは言えないようです。

この論文により卵論争が決着したというような論調ですが、素人の私でもやや違和感を覚えます。コレステロールについては昔からいわれていることですが、ヒトの体内ではかなり大量のコレステロールを常に合成しています。

具体的な量ははっきりしませんが、食事からとるコレステロールの何倍かに当たるようです。そのため高脂血症治療薬として、コレステロール合成阻害剤が世界中で大量に処方されてきました。

これは一種のブームのようになっていましたが、今ではこの阻害剤の使用は減ってきているようです。コレステロール自身の考え方も変わっており、HDLだけでなくLDLコレステロールの概念も出てきて、全てのコレステロールが健康に悪いわけでは無くなっています。

こういう状況で、卵のコレステロールだけに注目して、なるべく摂取しない方が良いという結果は、すぐに逆の研究結果が出るような気がします。私は卵かけごはんが好きでほぼ毎朝食べていますが、この習慣を変えるほどの研究結果ではないと思っています。

ゲノム編集でコムギの品種改良

2019-08-19 10:42:40 | グルメ
遺伝子を効率よく改変できるゲノム編集の技術を使って、雨にぬれても穂に付いた実が発芽しにくく、商品価値が落ちないコムギを開発したと、岡山大学などの研究グループが発表しました。

日本や北欧のように収穫期に雨が多い地域のコムギを雨にも強くできると期待されています。研究グループは、岡山大学資源植物研究所や農業・食品産業技術総合研究機構を中心に、帯広畜産大学や横浜市立大学の研究者も参加しています。

研究グループによると、コムギは6000年以上前に3種類の異なる植物が自然にかけ合わさってできたことが分かっていますが、全遺伝情報であるゲノムを人間のように1組ではなく、3組(Aゲノム、Bゲノム、Dゲノム)持っています。

それぞれのゲノムは7対の染色体からできており、この様に複数のゲノムがあると類似した遺伝子を重複して持つ植物の特性を改良することは非常に難しい事でした。

研究グループは、1つのゲノムしか持たないオオムギで見つかった「Qsd1」と呼ばれる遺伝子に着目しました。Qsd1は「種子休眠」という発芽に適した条件になっても発芽しない現象に関わり、この遺伝子が働かないと種子の休眠が長くなることが分かっていました。

種子の休眠が長いことはムギ類を含めた穀物が、雨によって発芽してしまうことを防ぐための重要な特性となっています。

研究グループはゲノム編集の「クリスパー・キャス9」という技術を使い、コムギが持つ3組のゲノムそれぞれにあるQsd1に相当する遺伝子を一度に改変しました。Qsd1が働かず、発芽しやすい環境に置かれても発芽しにくいコムギを作ることに成功しました。

これに穂の状態で種子に水をかけて濡らす実験を続けましたが、通常のコムギと比べ発芽が目立って遅れたようです。収穫時の降雨によってコムギのような穀物が、穂に種子がついたまま発芽してしまう現象は「穂発芽」と呼ばれます。

穂発芽したコムギから製粉した小麦粉は、品質が劣化して商品価値が著しく下がります。農研機構などによると、穂発芽による経済損失は大きく、日本国内の例として知られる2016年の北海道での被害額は140億円に上りました。

今回の成果について研究グループは、経済的効果や技術開発の面での意義は大きいとしています。このようにゲノム編集技術によって、従来の遺伝子組み換えでは難しかったような改変が容易になり、多くの植物が作り出されています。

こういった新しい植物(食物)が受け入れられるような良い情報を流すことが重要なのかもしれません。

ゲノム編集食品の表示義務

2019-07-28 10:13:04 | グルメ
遺伝子を効率よく改変する「ゲノム編集」の技術を使った食品をめぐり、編集表示の義務化が見送られる見通しになったようです。

消費者庁は内閣府消費者委員会の食品表示部会で、「従来の農産物との違いを科学的に検証できす、義務違反の特定は困難」とする考えを示しました。任意表示については検討し、8月末をめどに表示のあり方を公表するとしています。

基本的には「ゲノム編集」は、自然界で起きる突然変異とほぼ同じという判断のようですが、やはり人間の手が入っている以上表示すべきことのような気がします。

ただ日本では遺伝子組み換え食物のように、安全性の問題とは別に消費者が拒否するような気もします。日本の特徴かどうかわかりませんが、どうも人工の食物は安全性に疑問があり、自然の食物の方が安全であるという「天然物安全神話」が根強いような気がします。

私は基本的にはこの「安全神話」について疑問を持っています。毎日食べる食物だから確実に安全なものをという気持ちはわかりますが、それが自然のものは安全であるということにはならないと思っています。

人間は他の生命(生物)を食べるという方法で栄養を摂る、従属栄養生物です。天然の動植物には、抗ガン剤をはじめ非常に多くの化合物が含まれています。人間の役に立つものもありますが、多くは何らかの生理作用を持ち毒として作用するものも多くあります。

なぜこういった化合物を作り出しているのかという理由の一つに、他の生物に食べられないようにするためという説もあります。

現在の農作物は長年の品種改良などによって、ヒトの害になるような物質を作り出さないように品種改良されていますが、これは単に遺伝子を発現させないようにしているだけで、毒を作り出す遺伝子を眠らせているだけにすぎません。

これがいつ目覚めてトキシン類を作るようになるかは誰も分かりませんし、そうなったとしてもある突然死が昨夜食べたナスのせいだと分かることはありません。

これほど極端なことは無いのかもしれませんが、ジャガイモの芽や皮には有害物質があると分かっていますが、それを除いて食べているわけです。これは芽だけに有害物質があるわけではなく、全体に含まれている中でも芽に多く集まっているにすぎません。

これは植物だけではなく、例えばホタテ貝の養殖では、突然貝毒が発生し出荷停止なることがあります。ところが天然のホタテ貝はこういった検査をせずに出荷されているわけです。

このように人間の食物はあくまで他の生物の防御反応を含めて食べていますので、常にある程度の危険はあると認識すべきではないでしょうか。「天然物安全神話」はまさに単なる「神話」にすぎないと思っています。

赤い梅酒を作りました

2019-07-22 10:17:15 | グルメ
3年ほど前ですが、細い梅の苗木を買ってきて庭に植えていました。

何か理由があったはずですが、なんで植えようとしたのかは忘れてしまいました。次の年から小さな白い花をつけ、あまり派手な花ではないのですがそれなりに楽しんでいました。ただかなり遅咲きの梅で、近所の梅が終わったころに咲き始めていました。

育ち方もやや特徴があり、上に枝を伸ばすのではなく横に広がる形で大きくなっていきました。その梅の木に今年初めて実が5個つきました。気が付いたのは青梅になってからでしたが、どんな風に変わっていくのか楽しみにしていました。

この青い実がだんだん色づいてきて、黄色から赤みを帯びてきたのです。そのうち1個が自然に木から落ちましたが、オレンジ色から赤みがつき良い香りがしていました。

かみさんに言わせると梅ではなく杏子という事でしたが、確か買った時のタグには梅と有ったような気がしていました。落ちてから数日でかなり熟れてきて、良い果物の香りがしてきたので、食べてみることにしました。

皮をむいてみると果実も濃い赤色となっていました。私も杏子かと思って食べたのですが、それほど甘くなく酸味もあるまさに梅の実の味がしました(昔のことなので怪しいですが)。

そこでネットでこの梅の木を調べたところ、1999年ごろ開発された「露茜(つゆあかね)」という種類の梅であることが分かりました。この種類の特徴が記載されていましたが、枝の張り方や開花時期、花の形などが一致し、まずこの種類に間違いないようです。

この品種は赤い梅酒用に改良されたという事でしたので、私も梅酒を作ってみることにしました。レシピによると35度のホワイトリカーが適しているようですが、私が行ったスーパーの酒売り場にはそのような焼酎は無かったので、25度のやや安い焼酎を買ってきました。

ちょうど500mlぐらいの広口の密閉できる容器がありましたので、そこに色づいた梅を3個入れ、氷砂糖の代わりにスティックを数本入れ密閉しました。

すると2,3日で焼酎がピンクから赤くなってきました。本来梅酒は3,4カ月熟成するようですが、どういう味の変化がするのか10日ほどで半分ほどを出してみました。

赤ワイン程濃くは無いのですが、ロゼよりは赤い酒となっていました。比較のため残っていた焼酎とロックで飲み比べてみました。すると梅酒の方は良い香りと非常にまろやかな口当たりの酒となっていました。

ただ後味にやや酸味が残る味となりましたが、十分ロックで楽しめる焼酎となっていました。容器には残っていた焼酎を足して、今度は長めに熟成させるつもりですが、どんな風味に変わっていくのか楽しみです。

食文化の転換か「培養肉」の世界

2019-07-03 10:36:04 | グルメ
今後地球は人口100億人時代を迎えるといわれ、もうこのままでは肉食を続けることはできないと予測されています。

そこで新たな技術の開発が進んでいるのが、「培養肉」という技術です。世界の人口が70億人を超え、中国など新興国で食肉の需要が増加するなか、懸念さているのがタンパク質の危機です。

近い将来肉の需要に生産が追い付かなくなる恐れがあります。また家畜を出荷するまでには大量の餌が必要で、現在でも世界の穀物生産の約半分が家畜用飼料となっています。新たに農地や牧場を拡大することは、生物多様性の保全や温暖化防止という視点からも難しくなっています。

そこで新たな選択肢として脚光を浴びているのが、家畜の細胞を培養し食肉にするという「培養肉」です。

今年3月東京大学生産技術研究所と食品会社と共同で、牛の筋細胞を培養しサイコロステーキ状の筋組織を作ることに成功しました。培養肉は世界各国で研究されていますが、そのほとんどはハンバーガー用などのミンチ肉状のものです。

ステーキ肉のような構造を持たせるには、筋線維が束ねられた構造を再現する必要があります。研究チームは、細長いゼリー状のコラーゲンの中で培養した牛の筋細胞同士を融合させ、それを重ねていくことで、筋組織特有の構造を作ることができました。

培養肉を大きく育てるには、筋細胞に栄養を届ける仕組み、つまり血管のようなものを作る必要もあり、味という点では脂肪細胞も筋細胞も一緒に培養する必要があります。

こういった課題には、再生医療の技術を応用するようです。肉の培養で課題とされてきたのがコストの高さです。2013年にオランダのチームが開発した、世界初の培養肉ハンバーガーは研究費込みで1個約3500万円とされています。

その後各国の研究でコストダウンが追及されましたが、100gあたり数百万円かかっていました。こうした中日本では、驚異的なコストダウンとハードルの低さを実現しつつあります。

培養に多額のコストがかかったのは、培養液と成長因子(ホルモン)が高かったためのようです。そこで培養液を再生医療用のものから、スポーツドリンクやサプリメントなど市販のものに変え、成長因子に関しては還流培養という、人体と同じように細胞にホルモンを作らせてそれを筋組織に与えるという方法でコストダウンを実現しています。

こうした技法によりすでに100gを3万円以下で培養できるようになりました。これでもまだまだ高価な肉となっていますが、大量生産などによって通常の肉に近くなるのかもしれません。

大きな課題としてこの培養肉をいかに消費者に受け入れてもらうかですが、遺伝子組み換え食物での失敗の経験をうまく活かして、良い啓蒙活動をしてほしいものです。