Kenshunブログ Swingin' Cafe♪

Caféだから色々なお話し・・・

宗谷の原風景と北欧の作曲家シベリウス

2009年05月24日 | Brass
5月23日(土)

稚内総合文化センター大ホールにて

第24回音文協札響稚内定期演奏会がありました

毎年この春の時期に来る札幌交響楽団

僕もここ8年くらい毎年聴きに行っています

今年はフィンランドの国民的作曲家シベリウスがメインタイトル

吹奏楽の編曲でもお馴染みの「フィンランディア」をはじめ

「悲しきワルツ」「交響曲第2番ニ長調op.26」などアンコールを含めると全4曲を演奏

僕にとってはシベリウスを再評価する一夜となりました

特に「悲しきワルツ」は今までCDやTVで何度も聞いたことがありましたが

この手の曲はそういう場面で聞き込むことがないようなタイプのものなので

生で聞いて改めて素晴らしい小品だと感じました

この曲は6曲からなる付随音楽「クオレマ」の第一曲目に演奏される劇中曲で

「クオレマ」とは“死”という意味です

内容は主人公が母の死に立ち会うシーン

「病の床につく一人の女性。彼女は夢うつつにワルツを聴きます。
 彼女の前に一人の客が訪れます。憑かれたように彼女は起きあがり、
 客と共に踊り始めます。そして踊りが頂点に達した時、
 音楽は扉を叩くノックによって破られ、同時に客の姿も消えてしまいます。
 戸口に立っていたもの、それは“死”でした。」

つまり死に際に見る夢の中で死神と踊る母の様子を描いたワルツです

ワルツといえばウインナワルツのような優雅で明るいイメージを想像しますが

この曲は何と虚ろで暗く幻想的なのでしょう

しかし反面儚く美しくもあるのです

そして夢というふわふわした感じが妙にワルツの拍子に合っているものだなと感心しました

また交響曲第2番の4楽章は圧巻でした

久しぶりに札響の素晴らしい重厚なフォルテを聴かせて頂きました

重厚といえばシベリウスは厳しい北欧の風土に根ざしながら

常に人間の内面に問いかける誠実で重厚な音楽づくりが魅力

第4楽章の野太く力にあふれた第1主題と幾分の憂いを含んだ第2主題が対置されながら

次第に雄大に発展してフィナーレを迎えます

まるで宗谷の原風景のような景色を思い浮かべました

ちなみにフィンランド・ヘルシンキの2月の平均気温は-2.9℃、8月の平均気温が19.9℃

12ヶ月の平均気温を見ても宗谷のそれと良く似ています

北欧の風土の中で生まれたシベリウスの音楽は宗谷のピリッとした空気によく溶け込む気がしました

さてCD棚の奥にあるシベリウスを引っ張り出して聴いてみるとしますか

サロベツ原野あたりの風景を思い浮かべながら・・・


コメント (1)
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