一人想うこと :  想うままに… 気ままに… 日々徒然に…

『もう一人の自分』という小説を“けん あうる”のペンネームで出版しました。ぜひ読んでみてください。

娘盛り、花盛り

2005-10-04 21:45:15 | 日記・エッセイ・コラム
mamito1
 ここでご主人様について少し語ろう。
僕のご主人様はサラリーマンでどう見てもただのおっさんだ。
ただちょっと違うのは自分で造ったカヌーで遊びに行くのが趣味のようだ。
そしていつも奥様と一緒に行く。
はたで見ていると本当に仲が良さそうだ。
しかし、奥様の言い分はちょっと違うらしい。
曰く、「どうせ私はカヌー運搬人ヨ」
どうやらご主人様は自分一人ではカヌーを車に載せる事も運ぶ事もできないらしい。
だからいつも「一緒に行こう」と誘うようだ。
ま、理由はどうあれ、仲の良い事は確かのようだ。
 ここ数年、ご主人様はカヌーに乗るたびにポツリと言う。
「前は子供達も一緒に遊んだのに」
すると決まって奥様が言う。
「子供達も大人になったのよ」
しかし、ご主人様の横顔はいつも寂しそうだ。
 去年、久しぶりにキャンプに行った。
ご主人様と奥様、それに兄夫婦と三人の姪っ子達。そしてそれぞれの彼氏。
楽しい一泊二日を過ごし、帰り際に兄夫婦が言った。
「来年もまた同じメンバーでキャンプしよう。
ただし、彼氏の顔が替わっているのがいるかも」
ご主人様は思わず「ブッ」と吹いてしまった。
けど羨ましかったようだ。
「来年は娘も彼氏と一緒に来ればいいのに」
ご主人様はそう思ってキャンプ場を後にした。
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 先月、その夢がかなった。
去年のメンバー(なんとか姪っ子達の彼氏は全員同じだった)とまたキャンプをした。
そしてご主人様の娘がなんとか日程を合わせて彼氏と一緒にバイクで駆けつけてくれた。
ご主人様はたいそう喜んでいた。
多感な時期を過ぎると、また一緒に遊んでくれるようだ。
 娘と姪っ子達とそれぞれの彼氏達。
みんな、良い顔をしていた。

 娘盛り、花盛り。


コメント
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