一人想うこと :  想うままに… 気ままに… 日々徒然に…

『もう一人の自分』という小説を“けん あうる”のペンネームで出版しました。ぜひ読んでみてください。

悪性腫瘍?

2007-04-23 22:38:43 | 日記・エッセイ・コラム
Debu140
 今朝の出来事だった。
僕が起きてくると、いつものように息子が僕を抱き上げた。
ただ、何か気になるのか、しきりに僕のお腹を触っている。
「なあ、こいつのお腹、腫れてねえか?」
そう言いながら僕のお腹を奥様に見せた。
「あら? 本当・・・」
奥様が触ると確かにしこりのようなものがある。
一瞬頭の隅を先代の黒猫のことが過ぎった。
その中の一匹は白血病と一緒にお腹に悪性の腫瘍を持っていたからだった。
直ぐにご主人様にメールした。
「病院に連れて行け」との返信メール。
主治医のO先生に電話する。
「直ぐに連れて来て」とO先生が言う。
O先生の病院に行くのは一年ぶり。
そう、去年、酷い感染症に罹って死にそうになった時以来だ。
 早速、奥様は納戸の奥からケージを取り出した。
僕をその中に入れようとするが、なかなか入らない。
去年は楽に入ったのに・・・
それでもなんとかぎゅうぎゅうと収めて蓋をした。
僕の体はケージの中で四角四面にピッタリと収まっている。
身動き一つ出来ない。
 病院に着くと、診察台の上で奥様は僕をケージから出そうとした。
しかし、なかなか出てこない。
出てこない、と言うよりも、出ることができない、と言う方が正解のようだ。
僕だって早くケージから出たいのだ。
 O先生がケージを持ち上げ、逆さにして振り回すが、それでも僕は出れない。
とうとう、奥様が僕の両足を無理やり引張り、なんとかケージから出ることができた。
早速O先生の診察が始まる。
お腹を触診していると、O先生がニヤニヤと笑っている。
「お母さん、これねえ・・・
腫瘍でもなんでもないですよ。
これは脂肪です。肉です。
俗に言うエプロンというやつで、早い話、三段腹の酷いやつですよ」
 奥様は何も言えなかった。
あれだけ心配したのに・・・・
「でも良かったじゃないですか。
去年よりも2キロも太ってますからね。
元気な証拠。
こういうのは良くありますよ」
 ケージが小さくなるはずだ。
知らない間に2キロも太っている。
「すいません、お会計してください」
 やっと出た奥様の言葉がこれだった。
恥ずかしそうに下を向いたまま小さく言った。
「はい、525円です!」
 O先生の明るい声が響いた。
 知らない間に僕は肥満の仲間入りをしていたようだ。
パッと見た目には普通なんだが、どうも下腹が出てきた。
ご用心、ご用心・・・!!


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禁煙

2007-04-18 21:53:20 | 日記・エッセイ・コラム
Kinen150
 どうやらご主人様がタバコをやめたらしい。
一日二箱近く吸っていたかなりのヘビースモーカーだったのに、いったいどうしたのか・・・
別に意を決してやめたわけではなさそうだ。
実は先週、インフルエンザに罹り高熱を出して寝込んでしまった。
病院へ行き、タミフルを処方してもらう。
この時、医師から色々と説明を受けるが、異常行動が出るような年ではない。
家に帰って早速タミフルを飲む。
さすがに効く。
解熱剤の効果もあるんだろうが、40度近くあった熱が7度台まで下がってきた。
体も軽い。
ご主人様はジュースを飲みながら、タバコを吸おうとした。
だが・・・ タバコが旨くない。
旨くないどころか、一息吸っただけでクラクラする。
「熱のせいか」と思い、その日は吸うのをやめた。
 次の日、熱は平熱まで下がっている。
さすがはタミフルだ。
ご主人様はいつものようにコーヒーを飲んでいた。
だが、タバコを吸いたいとは思わない。
でも試しに吸ってみた。
昨日と同じだ。
旨くないし、クラクラする。
三日めも四日めも同じだった。
「いっそこのままタバコやめちゃおうか・・・」
そう思って買い置きもしなくなった。
 会社に行っても吸いたいと思うことはない。
逆に喫煙室のタバコの臭いを嗅ぐと吐き気がしそうになる時がある。
とうとうこのままタバコはやめてしまった。
 タミフルによる異常行動というのは、年を食うとひょっとして禁煙行動を起こすということなのか・・・?
ご主人様は自分勝手にそう思っていた。


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春の裏山

2007-04-01 22:35:07 | 日記・エッセイ・コラム
Urayama13
 今日、ご主人様は奥様と息子、そして娘と彼氏の5人で実家の深川に行ってきた。
そこで姪っ子達と裏山の探検に行こうと約束している。
子供達と春の裏山に探検に行くのは15年ぶりだろうか。
姪っ子達が到着すると、さっそく準備に取り掛かる。
天気は良い。
納屋から全員が乗れる分のソリを引っ張り出す。
すると、ご主人様がすごく懐かしい物を見つけた。
今では目にすることのできない昔のスキーだ。
スキーの裏にはシールが貼ってある。
何でも隣の家(と言っても1キロ先)の爺さんから貰った物だと言う。
見るからに手作りだ。
Urayama23
早速、息子が履いて登ってみる。
たいそう良いらしい。
それを見た奥様が、かんじきを探したが見つからない。
仕方がないので他の皆は長靴のまま裏山を登った。
当然、ズボズボと雪に埋まる。
途中、何度か休みながらも、なんとか頂上に着いた。
しかし、向こうの沢まで行くのは諦めた。
行ったら帰りがしんどい。
Urayama33
一休みすると全員でソリで滑り降りる。
皆の顔が子供になっている。
奥様の顔までが、ん?十年前の顔に戻っていた。
いくつになっても遊びは楽しい。
Urayama43
ふと足元を見た。
毛虫が一匹雪の上をトコトコトコトコと歩いている。
春の陽気に誘われて出てきたのだろうか。
でも・・・ 今頃後悔しているだろうなあ~
かわいそうに思った息子が、そっと松の木の枝に乗せてやった。


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