スモーカーからベーコンを取り出し、一切れ切ってみる。
良い色合いだ。
頬張ると口の中いっぱいにスモークの香りが広がった。
これは美味い!
彼氏に「食ってみろ」とご主人様は言うが、彼氏はなかなか食べようとしない。
訊くと「Nちゃんより先に食べると怒られる」と言う。
あらあら可愛そうに・・・
そう思っているとパンを買いに行っていた奥様と娘が帰って来た。
「あら、できたの?」
そう言いながら娘は直ぐにつまんだ。
ついでにビールも飲んでいる。
彼氏は? というとその横でせっせとフランスパンを切っていた。
将来が見えてきそうだ。
ご主人様は今度はスモーカーにゆで卵を入れた。
燻玉を作るようだ。
出来上がった薫玉は程よくスモークの香りがしてとても美味しい。
奥様がサラダとピクルスを持ってきた。
その横で彼氏はワインの栓を抜いている。
僕はいつも見ている。
娘の彼氏は本当に気がつき、まてなやつだ。
ご主人様も少しは見習って欲しいくらいだが、それは望むべくもない。
奥様のけなげしさが伝わってくるのに・・・
テーブルの上にいろんな料理が並んだ。
今日はちょっと豪華なブランチだった。