一人想うこと :  想うままに… 気ままに… 日々徒然に…

『もう一人の自分』という小説を“けん あうる”のペンネームで出版しました。ぜひ読んでみてください。

水産OB会

2018-01-29 21:41:29 | 日記・エッセイ・コラム

 年末年始の慌ただしさから解放され、やっと落ち着いた今日この頃。

 先日、会社の水産OB会なるものが催された。

 今まで、どの部門もOB会なるものが存在しなかったのに、何故水産だけがOB会を作ることになったのが不思議だったが、とにかく出席してみることにした。

 幹事はO氏。まだ定年前だと思っていたが、今月でめでたく定年になり、そのまま幹事になったという。

相変わらず食欲旺盛で会場はすき焼き食べ放題の店であった。

 行ってみると、皆まだ私と同じで、ほとんどが定年延長で仕事をしている身だったが、その中で一人だけ病気を理由に退職した奴がいた。

 それはS氏だったのだが、在職中からC型肝炎で、常に点滴などの治療で病院に掛かっていた。それが原因でやむなく退職していたのであった。

 そのS氏が、宴会が始まると、皆と同じように普通にビールを飲んでいる。

 一瞬皆の目が、そのS氏に注がれた。それはそうだ。今までS氏は、宴会の席ではアルコール類は一切飲まなかったのだから。

 どういうことかと聞いてみると、C型肝炎は完全に治ったという。なんでも道内で一人の医者しか扱えない新薬が出て、金額的にはかなり高かったが、それを使ったら見事に治ったそうだ。

 今の薬はすごいなと思った。あれだけ30年以上も肝炎で苦しんでいたのに、今では普通の生活をしている。

 本人は、体調も良いので、また復職するつもりだという。

 ただ、宴会の終わりにポツリと言っていた。

 「もっと早く治っていたら、俺の人生も変わっていたろうになぁ~」

 と。

 彼のこの言葉が、今も頭の片隅に残っている。

 

コメント
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