田園都市の風景から

筑後地方を中心とした情報や、昭和時代の生活の記憶、その時々に思うことなどを綴っていきます。

石橋美術館で「ちょっと気になる絵のまわり」展をみる

2015年09月06日 | 美術館・博物館

 久留米市の石橋美術館で開催されている「ちょっと気になる絵のまわり」展を見てきました。

 石橋美術館と展覧会の看板です。絵画の写真が中途半端に切れて、額縁が強調されています。この展覧会は、絵を縁どる額縁に焦点を当てた展覧会です。もちろん本物の絵画が展示されています。

 

 近年、石橋美術館では特定のテーマで絵画展を開催することが多くなりました。地方の美術館では、そうそう大きな展覧会は開催できないので、工夫しているのではないかと思います。

  内外の作家を合わせ、約7割が常設の展示品でした。展示室は本館と別館を合わせて10室あるのですが、1室はアンリ・マチスの特集でした。

 私は絵は素人で、好きか嫌いかの程度で見ています。

 これまで絵画を鑑賞するときは、額縁に注意を払うことはありませんでした。この展覧会では絵と額縁の関係について、実物を見せながら展示しています。額縁も重厚なものから軽快な印象を与えるものまで、またデザインや色、材質など、絵画との相性があるのだということがよくわかりました。

 画家によっては額縁の制作に具体的な指示をする方もあるそうです。普段はあまり気に留めないのですが、額縁も奥が深いのですね。110点ほどの絵画が展示されていますが、なかなか楽しいものでした。10月18日(日)まで開催されています。

 館内は撮影禁止ですので、ポストカードから当日の展示品を3点。いずれも常設展示です。

 青木繁 「海の幸」

 

 青木繁 「わだつみのいろこの宮」

    

 いずれも重要文化財です。私は青木繁はそれほどでもないのですが、「わだつみのいろこの宮」の沈んだ色調が好きです。夏目漱石も小説の中で、この絵を褒めています。

  岸田劉生 「麗子像」

   

 昔、東京出張の折に国立近代美術館に行ったことがあります。たまたま岸田劉生展があっていたのですが、切通しの坂と、名前は忘れましたが人物像を見て、ちょっとした衝撃を受けました。写実画なのにデフォルメをしている(ように感じました)。絵に力があるのです。それから岸田劉生が好きになりました。

 前にも書きましたが、来年の9月でこれらの絵が見られなくなります。悲しいことです。 

 

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4 コメント

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こんばんは (九州より)
2015-09-07 18:54:03
チトセヤさんは昔からあるので知っています。
額縁についてはtangoさんは専門家でしたね。絵を鑑賞するだけではなく、その周りのことも勉強できて、なかなか楽しい時間でした。
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額縁 (tango)
2015-09-07 18:21:53
久留米にも知人のチトセヤさんという画材点が
あります
絵画は額縁も大事
最近は久留米に行っていないので残念です
見たいですね~~
お客さまに額縁を買っていただいてさらに絵を描いて
いろいろなジャンルで額縁に入れます
ユニフォームまで額縁に入れますよ
スカーフも…
絵画も額縁の高級感によって見方が違います
画材点の経営をしているのに絵を全く描かないで
見ないで踊り狂って<?>いる私です
それでも先日のテレビで心がときめくのは
踊っている時が一番というデータがありました
青木繁 「海の幸」…よく見ますし有名すぎますね
良い時間を過ごされましたね
私は孫が書いた絵を額に入れ自宅に飾っています
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まさかの思いです (九州より)
2015-09-07 10:05:38
こんにちは。
文化的風土の「へそ」がなくなるという喪失感ですね。
東京と久留米の関係については、以前からいろいろ耳にしたりして、何時かはという気がしていました。ただ、まさか美術館がという思いです。
近年、石橋美術館の企画展が増えましたが、これも地位に甘えず集客増を図るようにとの財団の意向があったと聞き及んでいます。それはそれで歓迎すべきことだと思っていました。
財団も企業も東京ですから、正二郎翁の思いとは別にビジネスライクにされるのでしょう。
遠方の方には事情が分からないだろうと、関連記事にリンクを張りましたが、当該サイトの了解を得ていないので、念のためにリンクは削除しました。
返信する
石橋美術館 (京都で定年後生活)
2015-09-07 07:01:32
おはようございます。
石橋美術館には行ったことはないのですが、来年の9月までと知り、関連記事を見ました。
収蔵作品が東京のブリジストン美術館に移管されるそうですね。
石橋美術館の収蔵作品を見てみますと素晴らしい作品群に驚いています。
わが國の明治以降の近代絵画を創った有名画家の作品がこれほど多いとは知りませんでした。
黒田清輝、和田英作、藤島武二、青木繁、岸田劉生、岡田三郎助、佐伯祐三、藤田嗣治、安井曽田太郎。書画も雪舟、応挙、酒井抱一、鈴木其一、大観。
久留米や北九州の方々にとっては大きな文化的損失ですね。残念です。
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