田園都市の風景から

筑後地方を中心とした情報や、昭和時代の生活の記憶、その時々に思うことなどを綴っていきます。

阿川弘之「北京の怪」の切り絵細工(上)

2020年08月11日 | 遠い日の記憶
 阿川弘之の随筆集を読んでいて、「北京の怪」と題する文章に、はたと思い当たることがあった。  初出は1992年の「文学界」1月号。前年5月の訪中で北京に滞在したときの話である。彼はご当地の食事のまずさに辟易し、美味しい屋台の油条を求めて早朝の王府井を歩いていた。  どこからともなく日本語が聞こえてくる。振り返ると、日本語は二人組の男性が持つ小型のテープレコーダーから流れて来ている。そして、彼等 . . . 本文を読む
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