HAYASHI-NO-KO

北岳と甲斐駒ヶ岳

ツルニチニチソウ(蔓日々草)

2021-03-16 | 春 紫色系

去年、再度ツルニチニチソウの花を解剖?した。
確かに上から見ただけでは何が何やら訳のわからない部分も
残酷だけれど一花犠牲になって貰って解剖する。
そのことで何かが得られるとすれば
モヤモヤした訳のわからない部分が少し見えてくると言うことだ。


▲ 開花した花は蕾の頃からの捻れがそのまま花冠の捻れとして残る。
茎、葉の縁、萼片には細かな毛が見える。▼

▲ 蔓が伸び、対生している葉が密に広がるから風通しは悪くなる。
そうするとアブラムシが一斉に新しい葉や蕾に屯する。▼

▲ 密集状態でもかなり長い花柄が葉腋から伸びるので花はよく見える。
ただ、日陰では花付きは悪くなり、蔓や葉ばかりが茂って雑草化してしまう。▼





▲ 蕾が開き始める頃、捩れがよく見える。▲







▲ 合着した花弁は少し捻れている。蕾の頃の捩れがそのまま花冠に残っているのは、キョウチクトウと同じ。▼



▲ 花は花弁五枚の合弁花、長い花筒を伸ばして葉の上で開く。▼

▲ 花冠基部は少し盛り上がった状態(これはスイセンなどの副花冠に当たる)で5枚が合着している。▼



▲ 花冠を上から覗くと、細かな毛は花弁基部に付いているのが解る。
黄色く見えるのはおしべの葯で5本が固まっているように見える。めしべはその下に隠れて見えない。▼



ツルニチニチソウ(蔓日々草) キョウチクトウ科ツルニチニチソウ属 Vinca major
(2021.03.14 松江)


ツルニチニチソウ解剖図
▲ 花冠中央部に見える黄色がおしべ、その下にめしべが隠されている。花冠についている細かな毛が密集している。▲
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2 コメント

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素敵な雌しべの存在。 (こいも)
2021-03-17 11:21:14
林の子さん
ツルニチニチソウの見たかったところ、知りたかったことがとっても良くわかりました。
見たくて仕方がなかった中心部がこんなにもわかりやすくて~~~♪
初めて見る雄しべや雌しべ・キラキラの毛は花冠についていたのですね。
言いようがないほど白くて美しい雌しべですね~♡💖♡
これは隠したくなりますよね。
ツルニチニチソウの気持ちがやっとわかりました。
こいももこれは秘密にしたいと思います。
こちらを訪問された方だけが知ることができますよね。
何だかと~っても素敵です。
こんなにも詳しくありがとうございました。
嬉しくてしかたがないです・・・(*´▽`*)
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一つ花を摘んで… (林の子)
2021-03-17 19:39:00
花を切り裂いて仕組みを調べる…というのも少し残酷だなと言う方もいらっしゃるのですが
雑草扱いされている花は、平気で踏まれたり抜かれたりしてしまうので
やはり何度か仕組みを知りたくて「解剖」してしまいました。
どんな構造なのかを知ったところで、何かの役に立つものでも無いでしょうが
気になっている部分は少しは解決できるのではと思いますね。
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