HAYASHI-NO-KO

北岳と甲斐駒ヶ岳

イヌビワ(犬枇杷)

2020-02-11 | 木本 冬芽・葉痕

何度も同じものを撮って、自分が覚えていることを反復学習する。
学校の勉強では無いから正しい覚え方と言うのを教えてくれる人はいない。
だから我流だとは思いながら自分に合う覚え方を会得するしか無い。
正攻法も確かに幾つもあるのだろうけれど
我流の域を越えているとも思えない。
イヌビワとイチジク、構造は同じだけれどやはり何処か違う。
そう感じたからもう一度同じ画像を撮っている。


▲ この株は雄株なのでこの果実は中で今から花が咲く花嚢。尖っているのは全て葉芽。
雌株花嚢は春先にやっと出てくるので、冬に残っているものは雄花で径は1㌢程度。▼


▼ 【参考画像】 ▼

▲【参考画像】葉が展開し始めた春でも花嚢はこの程度の大きさ。
上が雌株の雌花花嚢で果実が出来る。下が果嚢が残っている雄株に付く雄花花嚢。
この雄花花嚢にイヌビワコバチが潜り込んで卵を産む。(2018.04.07 須磨離宮公園)



▲ 果嚢の底部。雄株の花嚢ではここからイヌビワコバチの雌が入り込んで産卵する。
産卵の場所は花嚢の中(下に画像追加)。成虫の内、翅のある雌バチだけがここから脱出する。

▲ 頂芽から芽鱗が剥がれ、新葉が生まれ始めている。▼



▲ 葉痕の下の細い線状のものは托葉痕、枝を一周する。▼

▲ 複雑な茎頂付近の様子。ついているのは去年の果嚢。
中でイヌビワコバチが産卵、成長する。▼



▲ 黄色くなっている果柄。この果嚢は何時までも残っていることが多い。

▲ 尖っている頂芽は葉芽。



▲ 右に突き出ているのは雄花の果嚢、さすれば葉痕の上にあるのは葉芽と言う事になる。▼



▲ 葉芽の先端は尖っている。▼



▲ 葉痕の上に二つ並んでいる右側は果嚢が脱落した痕、左が葉芽になる。▼



▲ 果嚢が脱落した痕と、葉痕。円錐形の葉芽が膨らみ始めている。▼

イヌビワ(犬枇杷)
 クワ科イチジク属 Ficus erecta
イヌビワはイチジク、ビワはバラ科植物、花の仕組みは全く違う。
果実(偽果、食べられるのは雌株の果実)がビワ に似ていて食べられるけれど、不味いからイヌビワ。
イチジクとそっくりなのに…と言われるが、登場した頃にはまだイチジクが輸入されていなかったのでイヌビワだそうだ。
別名にヒメビワ、イタビ。
イタビカズラ(崖石榴)もクワ科イチジク属 Ficus sarmentosa ssp. nipponica
果実の大きい、オオイタビも同じ。
(2020.02.02 田町)




▲ イヌビワの去年の雄果嚢断面。
春先に大きくなる花嚢では、この薄茶色の部分、雌花の胚珠にイヌビワコバチが卵を産み付ける。

幼虫はその胚珠を餌に育ち、翅を持つ雌バチと翅を持たない雄バチが誕生する。
翅を持つ雌バチは果実の隙間から外に飛び立つのだが、その際出入り口にある花粉を着けて外に出る。
イヌビワにとっては迷惑だがこれは雄果嚢、結実しないから許される。▼




▲ 左がイヌビワの雄果嚢で食べられない。右がイチジクの果嚢で食べられる。

丸い方が花芽、尖っている方が葉芽。
▲ イヌビワの冬芽・葉痕
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イヌビワ 冬芽・葉痕  イヌビワ・イヌビワコバチ
イヌビワ(犬枇杷)


2 コメント

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小さなな世界で・・・ (こいも)
2020-02-12 15:29:06
林の子さん
いつもありがとうござます。
昨夜から何度も見させていただいております。
小さな世界でこのようにすごいことが起こっているのですね。
ノートに書いたり「ええーそうだったの~」などと思いながらコメントをしております。
少しずつ憶えられたらと思います。
イヌビワではくてイヌイチジクだったら良かったのになどと思っています。
丁寧にお教えていただきまして本当にありがとうございます。
この辺りにはイヌビワが見当たりませんから
忘れないように書き留めておきました。
イヌビワコバチ…忘れられない虫さんになりました。
いつも教えていただきましてありがとうございます。
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公園などでは。 (林の子)
2020-02-12 17:27:57
イヌビワは、鳥が果嚢を盛んに啄んでゆくので公園などではあちこちに芽生えています。
ナンキンハゼやネズミモチなども同じでしょうか。
今の時期では枝にはイチジクをうんと小さくした雄株の果嚢が残っているので目印になっています。
見つかったら嬉しいですね。
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