HAYASHI-NO-KO

北岳と甲斐駒ヶ岳

サザンカ2(カンツバキ「獅子頭」)

2013-02-27 | 冬 赤・桃色系

サザンカ、カンツバキ、ツバキ、ハルサザンカ
何年経ってもややこしい。
ただ、年があらたまってから咲く八重はサザンカと言うより
普通にはカンツバキと呼ばれる種類

中国原産のカンツバキ、その園芸種と言われる「獅子頭」
全体は横に広がり、花弁数が多いけれど
サザンカのように一度には咲かない。

起源は中国産のユチャ(油茶)ツバキの雑種説
サザンカ変種説、等の諸説があるようだけど
サザンカとヤブツバキの交雑種説が一般的になっているそうだ。

一方、サザンカとカンツバキの交雑種と分類されているものは、立ち性。
園芸品種名「勘次郎」は樹が縦に伸び
花弁数はやや少なく、タチカンツバキ(立ち性の寒椿)と呼ばれる。
二種はいずれも、サザンカの特徴を持っているので、
葉には艶がなく鋸歯が目立ち、花弁が一枚ずつ散ることで区別がつく。
「ツバキ」の名が紛らわしいけれど、やはりサザンカの変種。
花弁と雄しべが合着する点はツバキ似、花弁が一枚ずつ散るのはサザンカ似。
最も確実なのは子房に密毛がある点で区別がつくので
やはりサザンカの園芸品種群の一つとするのが妥当な気がする。

尤も、自然界では自然に交雑することが普通の筈の生物
時には人為的に交配させたりもしている。
敢えてそれを純粋種と区別して呼んだり、交雑したものの特徴を微細に記述しても
それが生物学の上で意味を持つのは「学問」として対象とするときだけ…。
サザンカとツバキを区別して呼ぶのであれば
サザンカの中でもやはり区別はしておきたい。

いつも感じることなのだけれど、サザンカの季節には特に感じる。




雌しべの出ている子房周辺の毛が何とか見える

雌しべの柱頭は4裂、子房の周辺には昆虫や鳥を呼び寄せる蜜が出る
(2012.12.27 大明石町)




(2013.01.27 大明石町)













ツバキ科ツバキ属 Camellia x hiemalis 'Shishigashira'(=Camellia sasanqua var.
fujikoana)

(2013.02.14 明石公園)







(2013.02.14 玉津町)





ツバキ科ツバキ属 Camellia × hiemalis 'Kannjirou'(=Camellia x hiemalis ' Tachikantsubaki' =Camellia sasanqua cv. Hiemalis) タチカンツバキ、ベニサザンカ
(2013.02.25 玉津町)

 【ハルサザンカ/Camellia x vernalis 】
サザンカとツバキ(主としてヤブツバキとその園芸品種)の種間雑種
カンツバキとは違って、ツバキの特徴が良くでている
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去年の「獅子頭」サザンカ



2 コメント

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ありがとうございました (とんちゃん)
2013-02-13 08:29:51
お陰さまでひとつ勉強になりました。
深く考えることもなくそのまま過ぎていくところでした。
子房周辺にある毛もなんとか確認できました。
今までは疑いもせずにいたことが誤りだったと分かったのは林の子さんのお陰です。
自分で取り上げることによって知りえる事実があるのだということを大切にしながら今後も見ていこうと思います。
間違い探しではなく… (林の子)
2013-02-13 10:24:52
とんちゃん、おはようございます。
深く考えることもなく花を撮っているのが一番です。
花はそのままなのだし、名前がどうだの、花びらじゃなくて萼です…だのと間違い探しが多すぎますね。
間違い探しをしたところで、花は花、お気に召すまま…が一番だと思います。
ただ、自身の記述の中身だけはしっかりと精査したいですね。
そこで知り得たものが次に繋がるような、そんな学びが続けられればいいなと思っています。
『へえぇ、知らなかった。そうなの?』で終わるのも、『それじゃこれは?』に繋げるのも個人の範囲でしょうから。
ぜひ次々と広がってゆく植物の世界をご自身の範囲で楽しみ続けて下さいね。
そのお裾分けもぜひご紹介下さい。

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