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中国3G携帯、普及進まず 割高な通信価格がネック、各社料金見直し急ぐ

2010-05-30 | 市場動向/中国・インド



 中国の第3世代(3G)携帯の普及が苦戦している。中国携帯最大手のチャイナモバイル、2位のチャイナユニコムの4月の3Gの新規加入者数は、伸び悩みが鮮明になった。

 第2世代(2G)に比べて割高な通信価格などが移行のネックになり、各社とも料金設定の見直しを急いでいる。


●2G利用料平均に近づく

 チャイナユニコムは、今月から3Gサービスで66元(約900円)の料金セットを導入。従来の最低価格は96元で、2Gの月額利用料平均の40元強に近づいた。

 66元セットは、Aコース(50分通話、データ量300Mバイト)、Bコース(200分通話、9Mバイト)の2種類。中国国内の販売権を取得したアップルの「iPhone」向け料金セットも値下げした。

 チャイナユニコムの4月の新規加入数は、68万1000人と前月比10%減。

 世界の3Gサービスでは採用が最も多い「W-CDMA」規格を採用し、海外で販売されている魅力的な携帯端末を武器に加入者数を伸ばしてきた。

 だが、加入総数は550万5000人にとどまり、目標の1000万人達成には時間がかかりそう。

 固定電話最大手のチャイナテレコムは、無線LANと3Gを併用したパソコン通信カードのサービスで、100元から300元の間で5段階に分ける新料金体系を導入した。

 得意とするパソコン通信向けの3Gサービスをテコ入れし、3月末時点で557万人の3Gの契約数を増やす計画だ。新規加入時に最高7200元分の通話代が無料になるサービスも始めた。


●黒字化は来年以降も

 一方、チャイナモバイルの4月の新規加入者数は71万3000人と前月に比べて80%減少。3月の新規加入者が341万人と突如急増した反動が出たもよう。

 同社は中国独自の3G規格「TD-SCDMA」を採用し、通話地域が狭いなど他社に比べて出遅れているが、政府関連や国有企業を中心に巻き返しているとみられる。

 ただ、加入者数は840万3000人と今年の目標(3000万人)を大きく下回っている。

 多額の投資額を必要とする3Gビジネスに対し、各社の料金設定の見直しは、収益力の低下を招く可能性がある。「各社の3G関連の黒字化は来年以降になる」との指摘もある。

 中国工業情報化省は来年には3Gの加入者数が1億5000万人になると予測するが、通話主体の中国人の間では3G携帯サービスに関心を持つ人は多くないのが実情。

 「期待する若年層の3G移行は進んでいない」との見方がある。





【記事引用】 「日経産業新聞/2010年5月26日(水)/10面」


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