携帯電話端末の最大手ノキアと、インターネット検索大手のヤフーは24日、インターネットサービス分野で提携し、今年後半からこの分野の事業を実質的に統合すると発表した。
それぞれの領域の草分けの2社が連合を組み、ネット関連分野で勢力を拡大する検索最大手の米グーグルや、スマートフォンで急伸する米アップルに対抗する。
●アップル、グーグルに対抗
ノキアとヤフーは、今年後半から共同ブランドでネットメールや地図情報などのサービス提供を始める。2011年までに事業を全世界で共同展開する体制に移行し、実質的に統合する。
ノキアの携帯電話ユーザーとヤフーの利用者は、どちらかのネットサービスに登録すれば、もう一方の会社のサービスを同じ登録情報で原則として利用できるようになる。
ノキアは、携帯電話の世界市場で4割近いシェアを占める最大手。米調査会社IDCによると、スマートフォンでも1-3月の世界シェアは39.3%で首位を独走する。
しかし、スマートフォンではiPhoneが急伸し、米国などの先進国市場ではノキアの存在感は薄れていた。ネットサービスでノウハウや知名度のあるヤフーと組むことで、米国で携帯電話を売り込む。
一方、ヤフーもネッドサービスの草分けだが、検索や地図サービスなどでは最大手グーグルに大きく水をあけられた。
ヤフーは、検索事業で米マイクロソフト(MS)と提携して事業を統合。メールなどでは、MSとも提携しているノキアと協力することで巻き返す。
ノキアはインドなど新興国で携帯電話の販売を大きく伸ばしており、新興国でのユーザー囲い込みで先手を打ち、グーグルやアップルに対抗する。
【記事引用】 「日本経済新聞(夕刊)/2010年5月25日(火)/3面」