ベトナムで携帯電話の契約件数が急増している。
景気が徐々に回復に向かいつつあるため、都市部を中心に需要が拡大しているとみられる。情報通信省によると、全国の契約総数は2009年6月に1億件を突破。
個人で複数の携帯電話を保有するケースが増えているため、今後も契約件数は増加するとみられる。
●地方都市でも急速普及
7月未時点での契約総数は前年末に比べ、31%多い1億784万件となった。
ベトナムでは固定線など通信インフラの整備が遅れているため、ハノイやホーチミンといった大都市圏に加え、地方都市でも携帯電話が急速に普及し始めているという。
プリペイドカードの購入者に対するキャッシュバックなど、各種サービスも携帯電話市場の拡大につながっている。
有望市場を狙って外資の進出も増加。香港の大富豪、李嘉誠氏傘下のハチソン・テレコムはこのほど、ベトナムでデジタル携帯電話サービスを開始した。
デニス・ルイ最高経営責任者(CEO)は、「ベトナムの潜在成長力はアジアで最も大きい」と強調した。
●3Gサービス来年開始
10年からスタートする第3世代(3G)携帯電話サービスも利用者の増加につながっているもよう。情報通信省はこのほど、ベトテルなど国内4社に3Gサービス事業者の免許を交付。
各社は、来年前半をメドにサービスを開始する予定。
【記事引用】 「日本経済新聞(夕刊)/2009年8月26日(水)/3面」