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NEC、日立、カシオが携帯電話事業統合へ 広がるか再編の動き

2009-08-29 |  NECカシオ



 NECと日立製作所、カシオ計算機が携帯電話事業の統合を検討していることが28日、分かった。

 来年4月の統合を目指しており、実現すれば国内第2位のメーカーが誕生する。携帯電話市場は普及率飽和による販売低迷と、高機能化などに伴う巨額の開発費がメーカーの収益を圧迫。

 3社は統合による規模拡大を狙っており、ほかのメーカーにも再編の動きが広がる可能性がある。


●新たな供給先見込む

 既に、日立とカシオは04年、携帯電話の開発部門を統合して合弁会社を設立しており、NECが携帯電話事業を分社化して合弁会社に合流させる案を軸に検討されている。

 日立とカシオは携帯電話をそれぞれのブランドで個別に販売しており、統合後も3社のブランドを維持するとみられる。

 今回の事業統合は、開発費の抑制や共同で材料を調達することによるコスト削減などが狙いだが、統合による販路拡大への期待も大きい。

 現在、NECはNTTドコモとソフトバンクモバイルに端末を供給。日立はKDDI(au)、カシオはauとソフトバンクの携帯を出しているが、統合すれば、新たな供給先を見込める。


●再編の動きは必然

 一方、統合の背景には国内携帯電話市場の厳しい現状がある。電子情報技術産業協会(JEITA)によると、08年度の携帯電話端末の国内出荷実績は前年度比30.1%減の3464万台。

 出荷台数が4千万台を下回ったのは、1999年度以来9年ぶり。

 これは、世帯普及率が9割を超える飽和状態に陥っただけでなく、07年に総務省の指導によって販売奨励金が廃止され、端末価格が上昇し、その影響で買い替えサイクルが長くなったことも響いている。

 さらに、薄型化やワンセグなどの多機能化によって開発費用も高騰。メーカーの収益性は著しく悪化している。

 MM総研の横田英明アナリストは、「下位のメーカーになるほど、開発費などのコストをカバーできないので厳しい。国内販売が落ち込む中で、再編の動きは必然だ」と指摘する。

 既に一部のメーカーは、携帯電話事業の見直しに着手。三菱電機が08年に撤退したほか、三洋電機も京セラに携帯電話事業を売却した。

 採算性が悪化している中位以下のメーカーでは今後、他社との提携や、LG電子などの日本市場での知名度向上を狙う海外メーカーに事業を売却する動きが出てくる可能性もある。


●海外市場にらむ

 また、上位勢の中でも統合などによって国内での事業基盤を固め、本格的に海外市場に打って出ることが欠かせない。

 国内市場の成長が期待できない中で、「事業基盤を全世界に広げないと開発コストを吸収できない」(MM総研の横田氏)状況になりつつある。

 NECなど3社の携帯電話端末事業はいずれも国内のみだったが、統合によって海外市場参入を目指す見通し。シャープやパナソニックなども、海外市場強化に向けて再編に動くか注目される。





【記事引用】 「MSN産経ニュース/2009年8月28日(金) 」
         「フジサンケイビジネスアイ/2009年8月29日(土)


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