6月末で9億人を超えた中国の携帯電話利用者数が来年5月には10億の大台を突破する、との見通しを英調査会社ワイヤレス・インテリジェンスが発表した。
10億に達しても中国の携帯電話普及率は74%にすぎず、さらなる成長の余地が残されていると同社は指摘する。
●3G加入者1割未満
中国では、中国移動(チャイナモバイル)、中国電信(チャイナテレコム)、中国聯通(チャイナユニコム)の3社が携帯電話事業を展開。
各社が発表した6月末時点の加入者数は、移動が6億1679万人、電信1億837万人、聯通1億8161万人。計9億677万人で世界最大となる。
あと1年足らずで、さらに1億人の加入が見込まれ、12年第2四半期中には10億人を超えるというのが同調査会社の予想だが、これが実現するには、3Gサービスとスマートフォンの普及が不可欠という。
各社発表の6月末時点での3G加入者数は計8052万人で、全体の1割にも満たない。
高速ネットワークへの移行が進んでいないのは、スマートフォンが普及していないためで、「グレー市場」の存在により、正確な販売数を把握することも不可能とされる。
●今後大幅に増加
ただ、通信事業者らが独自開発のOSを搭載した製品を発表、
また、国内の通信機器大手、ZTE(中興通訊)やファーウェイ(華為)がアンドロイドOSベ-スの低価格端末を投入することで、中国での3G利用が今後大幅に増加すると同調査会社は予想する。
中国移動では既に4Gを視野に入れた技術開発を進めており、12年にはTD―LTEの商用サービスを開始すると意気込むが、本格展開は14年にずれ込む可能性があるという。
【記事引用】 「電波新聞/2011年7月26日(火)/2面」