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割安携帯電話会社、参入相次ぐ 家電量販店やベンチャー企業など年内にも100社超え

2011-08-27 | 携帯事業者/日本



 NTTドコモなどから回線を借り、大手より2-3割程度安い利用料金を売り物にする割安携帯電話会社が急増している。

 ドコモなどが1月以降に回線貸与料金を引き下げたため新規参入に弾みがつき、年内にも100社を超える。

 米欧では割安携帯電話利用が全体の10%を超える国もあるが日本は3%にとどまる。ベンチャー企業や家電量販店など異業種からの参入が増えれば、国際的に割高な日本の携帯電話料金の引き下げにつながる。


●新たな収益源に

 割安携帯電話会社は、自前の通信インフラを持たず大手から回線を借りて携帯電話サービスを提供する。仮想移動体通信事業者(MVNO)とも呼ばれる。日本のMVNOは現在、約90社。

 ドコモやKDDIなど大手は回線の開放を義務付けられているが、回線利用料が高くサービスの品質にもばらつきがあるため、契約者は3月末で359万件と全契約者の約3%にとどまる。

 総務省は、2010年3月に回線貸与に関するガイドラインを策定。これを受け、1月から3月にかけてドコモなど大手各社が回線利用料を2-3割引き下げた。

 新規参入を希望する作業が増え、ドコモには120社以上、大手4社では200社強が回線貸与を申し込んでいる。大手4社は回線使用料の支払い能力など申込企業の実力を審査した上で契約を結ぶ。

 国内携帯電話市場が飽和に近づき、新規加入が頭打ちになる中、ドコモなど大手は回線利用料を新たな収益源とする思惑もある。

 今後数年は年10-20社のペースで増える見通しで、12-13年には割安携帯電話の加入者が全体の10%近い1000万件を超えるとの予測もある。


●大手より2-3割安

 新規参入はITベンチャーや小売り大手が目立つ。ジャスダック上場のソフィアホールディングスは、子会社を通じて8月下旬に参入する。

 ドコモから回線を借り、中国の華為技術からスマートフォンを調達する。利用者の月額料金は4200円で6000円弱の大手より3割近く安い。

 ベンチャー企業のアールストリーム(大阪市)は、台湾企業から米グーグルの基本ソフト「アンドロイド」を搭載したスマートフォンを調達する。

 ドコモから回線を借り、月額4680円。ヨドバシカメラやネット通販大手のアマゾンで販売を始めた。

 6月にはイオンがベンチャーの日本通信と組んで、スマートフォンに差し込むと月額1000円程度で通話できるSIMカードを売り出した。

 通話やデータ通信を頻繁に使う「ヘビーユーザー」の携帯電話利用料金は東京が月額約1万1000円でニューヨーク(約6800円)、ロンドン(約4500円)を大きく上回る(総務省調べ)。

 日本では回線利用料の高さに加え、通信会社ごとに専用の端末が必要だったため新規参入が進まなかった。

 海外では米ウォルマート・ストアーズや英テスコなど大手小売りも格安携帯電話に参入しており、英ヴァージン・モバイルのように1000万件近い加入者を持つ企業もある。




【記事引用】 「日本経済新聞/2011年8月26日(金)/1面」


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