携帯電話各社がスマートフォンの調達を海外メーカーにシフトし始めている。
従来型携帯電話(フィーチャーフォン)では国内の端末メーカーから仕入れるケースが圧倒的に多かったが、スマホの台頭で状況は一変。NTTドコモやKDDI(au)が昨年度投入した新機種の4割前後を海外メーカーが占めている。
●世界的潮流に出遅れ
日本は独自仕様の端末が主流だったが、世界共通の基本ソフト(OS)を採用するスマートフォンが海外で普及し、日本勢は世界的な潮流に出遅れた。
資金力で劣る日本の携帯端末メーカーはスマートフォンの開発が遅れ気味で、「海外メーカーのほうが使い勝手が良い製品が多い」(通信事業者関係者)状況が続いている。
国内メーカーのスマートフォンも売れ始めているが、auとソフトバンクモバイルで人気があるのは米アップルのiPhone。ドコモは韓国サムスン電子の「ギャラクシー」が看板商品になっている。
携帯電話各社は「国内メーカーをもっと採用し販売を増やしたいが、それを決めるのは利用者」と本音を打ち明ける。日本の端末メーカーが利用者の支持を獲得できる魅力的な新商品を投入できるか。
国内端末メーカーのスマートフォンの開発力が試されている。
【記事引用】 「日経産業新聞/2012年4月23日(月)/3面」