NTTドコモは2012年度のスマートフォンの販売台数を11年度比3割増の1100万台前後とする計画を固めた。
総出荷に占めるスマートフォンの比率は初めて過半となる。高速通信「LTE」や4月開始のスマホ向け放送など新サービスを盛り込んだ機種を拡充する。
KDDIやソフトバンクを加えた12年度の総出荷は3000万台近くとなり、国内スマートフォン市場が一段と過熱しそう。
●販売計画上積み
ドコモは、11年度のスマートフォン販売計画を昨年11月に600万台から850万台に上方修正した。
今年3月末には第2世代携帯電話「mova(ムーバ)」のサービスが終了。12年度は初心者層や法人向けなどで従来型の「iモード」対応の携帯電話からの切り替えもさらに進むとみて、販売計画をさらに上積みする。
ドコモはスマートフォンの新製品を年間40-50機種程度投入している。12年度はこのうち約半数の機種を現行の第3世代携帯電話の5-10倍の通信速度を持つLTE対応とする方針。
また、スマートフォン向けの新サービスとして4月1日から地上アナログ放送の空き電波を使って配信する新放送「NOTTV(ノッティービー)」を始める。
対応端末は国内メーカーを中心に9月までに7機種を取りそろえ、通期で対応端末を300万台販売する。100万契約を目指し、スマートフォン販売の核に据える方針。
調査会社のMM総研によると12年度のスマートフォン出荷台数は11年度比2割増の2790万台となる見通しで、15年度には3355万台と携帯総出荷の8割に達すると予想している。
KDDIとソフトバンクモバイルは主力製品であるiPhoneを中心に販売を拡大し、それぞれ800万台程度の出荷となりそう。
●インフラ増強急務
スマートフォンは従来型の携帯電話に比べて10-20倍のデータを使用するため、インフラ増強などの対策も急務となる。ドコモはスマートフォン販売の急増などが原因で通信障害が頻発し頻発した経緯もある。
データ量拡大に対応した基地局や処理サーバーの増強、公公衆無線LANの拡充で対応していく考え。
【記事引用】 「日本経済新聞/2012年3月27日(火)/9面」