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中国通信大手3社、ARPUで明暗 iPhone効果の聯通、中国移動など低迷続く

2011-08-25 | 携帯事業者/世界



 中国通信大手3社が携帯電話事業の1人当たり月間収入(ARPU)で明暗を分けた。

 24日に決算発表した中国聯合網絡通信(香港)は米アップル社の「iPhone」効果で増えた一方、中国移動と中国電信は低下が続いた。

 もっとも、中国聯通も期待の第3世代(3G)携帯電話のARPUは下がっており、各社ともARPU上昇策に力を注ぐ必要がある。


●ARPU上昇聯通のみ

 中国聯通の2011年1~6月期の売上高は、前年同期比23%増の1014億元(約1兆2200億円)。iPhoneを含む3G端末の普及を促すための補助金負担などから、純利益は9%減の26億5200万元だった。

 同社のARPUは9%増の46.8元と、3社の中で唯一上昇。携帯電話加入者も、6月末時点で1億8161万件と1年前に比べ約2500万件(16%)増えた。

 これに対し、中国移動と中国電信も加入件数が大きく伸びた点は同じ。中国移動は1年間で、NTTドコモの6月末時点の加入件数(5841万件)を上回る6275万件の純増を獲得。

 08年の業界再編で携帯事業に参入した中国電信も、6月末で初めて1億件を超えた。王暁初童事長兼最高経営責任者(CEO)は、「CDMA方式の携帯電話で世界最大になった」と胸を張った。

 世界最大の人口大国で通信事業を寡占しているため不思議はない。ただし、問題は質や効率で、ARPUはそれをみる有力な手掛かりの1つ。

 中国電信のARPUは52.2元と前年同期比で1割下落した。より多くのデータ収入が期待できる3G携帯電話の比率が全体の2割と、3社中で最も高い。

 3Gの加入件数は過去1年間で3倍に増えたが、ARPUの底上げには至っていない。


●伸び悩むデータ通信収入

 中国移動のARPUも同3%減の70元。新規加入は所得水準の低い農村部が多いうえ、旧式の2Gからの移行も遅れ、データ通信収入が伸び悩んでいる。

 同社が米アップルと「iPhone」の販売権獲得交渉を急ぐ理由の一端もここにある。

 中国聯通も、ARPUの中身を分析すると違う姿が見えてくる。2Gで4%、3Gでは12%低下。3GのARPUが117.5元と水準が相対的に高いため、合算してARPUが上昇しただけ。

 日本を含む先進国ではデータ通信収入を増やすための競争が既に始まっている。中国各社も加入増を優先する段階から、魅力ある端末やコンテンツの提供が重要になる段階に入りつつある。




【記事引用】 「日経産業新聞/2011年8月25日(木)/13面」


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