NTTドコモは21日、新料金体系へ移行後の携帯電話端末の価格戦略を明らかにした。
26日以降に発売する905iシリーズの店頭価格は、毎月の基本使用料が安い新プラン「バリューコース」の場合、5万2500円程度となる見通し。
このうち、5万400円分は割賦払いを利用できるため、購入時の出費は頭金の2100円程度で済む。
一方、12日に新料金体系へ移行したKDDI(au)は、従来型の料金プランで1円・0円端末を販売中で、店頭での0円戦争は今後も続きそう。
●購入時安く 割賦で回収
ドコモの料金体系は26日発売の新商品から、端末代金と毎月の利用料を明確に区分した「バリューコース」と、利用料の一部を端末の値下げ原資に充てる従来型プラン「ベーシックコース」の2本立てとなる。
バリューコースは端末代金が従来型プランよりも高くなるため、ドコモは割賦払いを用意した。
905iシリーズでは当初、支払い方法は月2100円の24回払い、月4200円の12回払いの2通り。それ以外の金額や回数は設定できないが、手数料と金利が無料で、毎月の利用料金と一緒に請求されるため便利だ。
バリューコースは、同じ端末を長く使う客や、新規ではなく機種変更の客には従来よりも有利になる。
ドコモは利用者の約8割がバリューコースを選択し、その多くが割賦を利用すると想定。割賦払いを販売戦略の中心に据える考えであるため、店頭では支払総額よりも割賦の頭金を大きく表示し、購入時の支出が少ないことを強調する。
●頭金下げ0円も
頭金が0円になれば、買いやすい印象を与えることができる。割賦販売を今年1月に導入したソフトバンクも、頭金0円戦略で販売を伸ばしている。
ベーシックコースの端末価格はバリューコースよりも一律で1万5750円安く設定する。ただ、2年間使用する場合、利用料金はバリューコースの方が総額で2万円以上安くなる。
KDDIは、従来型プラン「フルサポートコース」に注力する方針で、新料金プラン「シンプルコース」も選択肢として揃えた。
フルサポートコースでは、小売店に販売奨励金を支給することによって、新規契約で1円・0円の価格設定が可能。今後も1円・0円端末を取り揃え、他社からの乗り換えを促す。
携帯電話市場が成長期から成熟期を迎えた中、携帯各社は新規獲得だけでなく、長期利用者の顧客満足度向上との両立を求められており、価格戦略もより多様化、複雑化しつつある。
【記事引用】 「フジサンケイ ビジネスアイ/07年11月22日(木)/6面」