携帯電話業界ブログ

── ケータイ業界関連の記事集.

日本勢、中国ケータイに商機 官民トップ訪中団、第3世代普及を視野 

2009-05-08 | 市場動向/中国・インド
 


 中国での第3世代携帯電話(3G)、第3.9世代(3.9G)の普及をにらみ、日中間の技術協力が始まる。

 柱は、次世代技術の共同研究とコンテンツ・ビジネスの立ち上げ。日中が合意した3Gのコンテンツ共同開発は総務省主導で、実効性に疑問の声もある。

 しかし、日本の携帯電話関連業界にとって、高成長の中国市場は魅力的。自らの成長戦略にどうやって結びつけるか。日本勢の底力が問われる。


●3.9G連携に期待

 日本の携帯電話大手の経営トップが、4、5日に鳩山邦夫総務相に同行して中国を訪れた。

 今回の鳩山訪中団にはNTTドコモの山田隆持社長を筆頭にKDDI(au)、ソフトバンクモバイル、ウイルコム、イー・モバイルの社長、副社長が名を連ねた。

 日本の携帯電話各社が期待するのは、光ファイバー通信回線並みの高速通信が可能な3.9Gサービスでの連携。

 中国で現在主流の2G携帯電話では日中で通信規格が異なるため、日本の携帯電話端末メーカー、コンテンツ事業者は、これまで中国市場での存在感は極めて薄かった。


●3Gメリット限定的

 日本以外の海外勢は、中国で穏極的に事業展開を続けており、携帯電話端末ではノキア、サムスン電子、モトローラがトップ3を占めている。

 今年から商用サービスが始まった3Gでは、最大手の中国移動通信集団は中国独自の「TD-SCDMA」を採用。

 中国電信集団がKDDI(au)と同じ「CDMA2000」、中国聯合網絡通信集団がドコモなどと同じ「W-CDMA」をそれぞれ採用している。

 通信規格が同じ重業者同士であれば、端末の共同開発や通信網の構築・運用ノウハウの共有などがしやすいが、3社がバラバラの規格を採用している3Gでは、連携するメリットは限られる。


●3.9G連携でメリット

 世界的に規格統一の機運が高まっている3.9Gで中国の通信会社と連携し、中国市場でも規格統位置が実現すれば、日本の通信機器メーカーや携帯コンテンツ事業者にとってもメリットは大きい。

 政府間合意を受け、日本の携帯各社は具体的な協力内容を今後詰める。

 ドコモは北京の研究開発拠点で、3.9Gの通信規格「LTE」の一種で、中国独自の3G規格と技術的に親和性の高い「LTE-TDD」の研究開発に着手している。

 研究成果を中国側と共有したり、標準化を支援したりすることなどを検討している。


●コンテンンツ開発での強力

 今回の訪中でのもう1つの成果は、3G向けのコンテンツ開発での協力。日中の通信業界団体が共同開発の推進機関「日中モバイルブロードバンド合作推進会」の設置を決めた。

 中国側には3G、3.9Gでの巨額の投資を回収するため、通話料以外の収入確保で日本の経験を利用したい」という台所事情がある。

 日本のコンテンツ事業者も新市場に期待を寄せる。デイー・エヌ・エー(DeNA)は2年前に中国市場に参入したが、まだ事業化調査のレベル。

 しかし、DeNAの守安功COO(最高執行責任者)は4月、5年以内に日本並みの収益を上げる目標を中国メディアに明かしており、事業機会を伺う状況。





【記事引用】 「日経産業新聞/2009年5月8日(金)/3面

  

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