インターネット検索最大手の米グーグルが、携帯電話市場に本格参入する。
米インテルやNTTドコモ、KDDIなどの世界のハイテク・通信企業33社と提携し、基本ソフトなど携帯電話に必要なソフトを全て無償提供する。
検索や広告などのネットサービスで圧倒的な力を持つ同社の携帯分野での台頭が、ノキアなどの脅威となるのは間違いなく、日本の通信会社や端末メーカーの戦略にも影響を与えそう。
●巨大市場の構造転換促す
無償提供するソフト群の名称はAndroid(アンドロイド)で、各種機能を制御するOSやネット閲覧、電子メール、電話帳などの携帯に必要な全てのソフトを備える。グーグルが中心となり、提携各社と強力して開発・普及を進める。
無償ソフトを搭載する携帯電話は2008年後半から発売され、価格は従来製品より1割程度安くなる模様。
グーグルは、日本の端末メーカーにもソフト採用を呼びかけており、協力企業は今後も増える見通し。ノキア系が7割超を占める高機能携帯用OSの勢力図に影響を与えそう。
普及初期の段階では、従来の携帯向けソフトと大きな差はないが、新ソフトは端末メーカーが自社製品に無料で組み込んで販売できる上、ネット競売会社が簡単に競売に参加するソフトを開発できるなど、自由に機能拡充ができる。
このソフトが広がれば、通信会社や端末メーカーによって異なる技術の統一化が進み、携帯端末・サービス開発の期間短縮やコスト削減に繋がる。
ソフトを無償提供することで、ネット広告を収益基盤にしたPCのビジネスモデルを携帯にも拡げたい考え。
<グーグルが提携する主な企業>
【通信会社】
・NTTドコモ(日本)
・KDDI(日本)
・スプリント・ネクステル(米)
・中国移動(中国)
・テレフォニカ(スペイン)
【端末メーカー】
・モトローラ(米)
・サムスン電子(韓国)
・LG電子(韓国)
【半導体】
・インテル(米)
・TI(米)
・クアルコム(米)
【記事引用】 「日本経済新聞/07年11月6日(火)/1面・11面」